Cafe HOUKOKU-DOH

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IVY Note No.114

ブリーフケース

会社員を辞めて久しいが、当時は店主もビジネスバックを毎日持ち歩いていた。中堅の域に入ったあたりで購入して使い倒していたのが、TUMIのブリーフケースだ。

 

かるくて頑丈なFXTバリスティックナイロンという独自開発した素材を使っていて、超高密度ナイロンに特殊なコーティングをした素材で、当時から現在までビジネスパーソンに大人気のブランドである。

 

 

これだけ人気があるので、使い勝手はよかったのだが、最大の欠点は周囲のビジネスパーソンと被りまくることであった。

 

それでもノートPCを持ち歩きながら、方々へ出張するときには、このバックに勝るバックはいまだ見つかっていないのだが、やはり店主としては、人と違ったバックを持ちたくなる。

 

ビジネスで多用されるバックとしては、前述のブリーフケースのほかに、アタッシュケースクラッチバック、ダレスバックなどがあげられる。いずれも日常づかいに持ち歩くには、オールマイティさに欠け、使い勝手がよくない。

 

なのでブリーフケースのカテゴリーの中から、TUMIに代わるバックはないものかと当時探し回った。さまざまな雑誌や書籍を読み漁り、ジャストなブリーフケースを見つけたのであった。

 

それは、英国製のハンドメイドカバン「UT/KEY KEYSTONE」というブリーフケースであった。ブリーフケースとしてはめずらしいキャンバス地と革のコンビである。

 

 

英国産の成牛の革を使い、血管、筋、キズなどが目立つ箇所は避けて、きめ細かな革のみを採用している。なかでも同社の看板となっている「ブライドル・レザー」という蝋引き加工を施した最高級品を惜しげもなく使っているのだ。

 

メーカーのエッティンガー社は老舗が多い英国にはめずらしく若い企業である。製品はすべてハンドメイドにこだわっており、レザーグッズ部門でロイヤルワラントを授かっている。

 

長年ねらっていたが、ようやく手に入れた際のうれしさは格別であった。この色合いとコンビのデザインは、カチッとしたスーツにもジャケパンにもあう守備範囲の広さが魅力である。

 

しかし、唯一の欠点は、キャンバス地のカラーが明るいカーキであり、汚れが目立ちやすいことくらい。まあそんな点は気にせず、ガシガシ使い込んでいくことで一層の味が出てくるのではあるが。

 

最近は登場する機会が少ないので、ジャケットやスーツの際には、積極的に登場してもらうことにしよう。