内定式
今週月曜日の10月2日、日本の多くの企業で内定式が開催された。ニュースなどではさまざまに工夫を凝らした内定式が紹介され、人手不足の中、企業の人事担当者がご苦労されている様子が見られた。
店主が社外監査役をつとめさせていただいている新卒採用コンサル会社でも、内定式が開催され、出席してきた。会社員時代には、人事の責任者としてあいさつを述べるのが毎年の恒例であったが、いまは1人の参加者として出席させていただいた。
今年の内定者は1人。30名規模の会社なので、それでも毎年必ず新卒を採用し続けているのはすごいことである。
内定式は朝9時からスタート。この会社では、新卒者採用活動を公募式のプロジェクトチームを立ち上げて行う。内定式の準備、進行などもチームの担当である。
オフィスがあるビルの1つ上の階にあるセミナールームには、約20名ほどの社員が集まった。そのほかは自宅からのWeb参加で、ハイブリット方式である。
社長の内定証書授与からスタートし、役員、社員のお祝いの言葉、内定者の自己紹介とメニューがすすんでいった。その後、全社員に会社に入ってからの喜怒哀楽について、アンケートをとった内容について、くじ引きで発表者を選んで、その内容を説明してもらうことに。
数名が発表したが、そのアンケート結果のまとめは、全員のフリーコメントが記載されたステキな冊子となって、内定者にプレゼントされた。手作り感満載の心温まるステキなものであった。
先輩社員からのお祝いの言葉は、採用プロジェクトチームのリーダーである7年目の社員。聞けば彼女も同期入社はおらず1人採用の年であったという。
同期がいなかったとは、はじめて聞いた。簡単にわかりそうなことではあるものの、そこまで気が回らなかったというのがホントのところかもしれない。
先輩からのお祝いメッセージで彼女が言うには、一人っ子と一緒でいい面と苦労する面があるという。会社組織の中に入って、最初のそしてとても頼もしいネットワークである同期という仲間がいないということは、想像以上にたいへんなようだ。
とくにつらいときほど、なぜ自分には同期がいないのだと、会社の方に不満が向いてしまいがちだという。また、入社当初は同じキャリア同士いろいろ相談したり、励ましあったりと精神的な支えにもなったであろうと考えてしまったという。
一方で、時間が経つにつれ、逆に1人しかいない新入社員という立場をラッキーと思えるようになったそうだ。通常は新人でシェアする顧客訪問への同行も、すべて自分が連れて行ってもらえるし、顧客にも顔と名前を覚えてもらえるという。そして社員全員が1人しかいない新入社員を見まもってくれるのだそうだ。
なにごとにもメリットとデメリットがあるのだと、あらためて考えさせられたのであった。