Cafe HOUKOKU-DOH

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人事屋修行記(第119話)

NHK

2009年当時、店主は人事課長として、組織人事、任免、評価、昇格そして採用と広い範囲を担当していました。当時はリーマンショックによる景気の冷え込みで、一時的に新卒採用は落ち込んだものの、各社は単純な人数の絞り込みはせず、厳選採用という方向に舵を切っていました。

 

前職企業も同様に文系はミニマム採用にしましたが、一方で機電系を中心としたエンジニアは、一時期の加熱した人数からは半減近くに絞ったものの、それでも年間80名くらいの採用目標を掲げての活動です。

 

また、クルマの電動化という技術革新にともなう専門性の変化から、機電系学生の中でも電気電子学科出身の学生の採用数を増やすという変化が出てきた時期でした。

 

機械系ならばまだ認知度はありますが、電気系となると学生さんがクルマ業界に活躍の場があるとは認識しておらず、まずは技術動向のトレンドや将来予測、そしてこれからの活躍の場をPRしていくという地道な取組みを重ねていく必要があります。

 

クルマの電動化に伴う採用への影響というのは、経済界では結構大きな関心を呼んでいて、新聞などでもよく取り上げられていました。そんな矢先、広報に「クルマの電動化による電気系エンジニア採用への現状」を取材させて欲しいとNHKから申し入れをいただきました。

 

 

店主と採用担当2名で新宿の野村ビルから出てきて高層ビル群を歩く後ろ姿からスタートし、近所の工学院大学の就職課におじゃまし、担当者との面談をする、というストーリーです。自動車部品メーカーとしては機械系もさることながら、電気系の学生が欲しいということを説明する画を収めて、最後にインタビューを受け収録終了です。

 

番組は夜7時半からの全国枠の経済番組で放送され、店主は無事TVデビューをすることができました。

 

自分としては、それで終了で特段、周囲の友人などからも反応はまったくありませんでした。ところが実家にも一応、連絡をしておいたところ、父親がしっかり録画していて、それをDVDに落として、PCでラベルまで印刷して親戚中に配っていたのでした。

 

これにはさすがに苦笑しつつも、仕事でこういうように、わかりやすい形で何かを残すというのは、とても親にとってはうれしいことで、これで少しは親孝行できたのかな、と考えさせられるものがありました。

 

つづく…