Cafe HOUKOKU-DOH

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人事屋修行記(第120話)

やまと

2009年当時は3回目の単身赴任で、まだ体力も気力も十分だったので、夜は食事を兼ねてよく飲みに行っていました。当時前職の本社オフィスは西新宿の高層ビルにあり、飲むとなるとビル内の飲食店が中心でしたが、変り映えがしないことと、コスト面であまり満足のいくものではありませんでした。

 

西新宿も高層ビル群から新宿駅寄りに歩いてくると、だんだん飲食店の入るビルが多くなってきて、選択肢も増えてきます。そんな中、よくお世話になったのが「やまと」という居酒屋でした。小田急ハルクの裏にある路地に建つ地上3階、地下1階建ての建物は自社ビルだそうで、すべてのフロアが居酒屋として営業しています。

 

ここのお店は先輩から引き継いだお店ですが、その売りはなんといっても「生ビール1杯180円」という圧倒的な安さでした。よくあるタイムサービスなどではなく、24時間365日いつもで180円というのが売りでした。しかも発泡酒などではなく、正真正銘のビールです。

 

お店の入り口の看板に大々的に掲げてあるのですが、あるとき我々がお会計を済ませて店を出ると、看板を見ていた学生さんに「ここのお店ってホントにビール一杯目から180円なんんですか」と尋ねられ、ホントだけどどうしてと聴くと「ボクら名古屋から来たんですが、新宿はコワいところだと聞いているので、10杯以上の飲まないと180円にならないとかボラれるんじゃないかと思って」とのこと。

 

 

ここのお店でもやはり、なんでも安いわけではありません。サワーや料理などは普通の水準ですし、日本酒などは逆に高いくらいです。なので調子にのってアレコレ頼んだりすると、それなりの金額になるので、飲み物はしっかりビールかハイボールに絞り、料理も最低限のものとして楽しみます。なにせ毎晩のことですから。

 

当時の本社オフィスは社員が全部で30人弱の所帯で、社内に相手を求めるのも限界がありました。そこで、毎日お昼過ぎになると、さて今日は誰と行こうか?とアレコレあてを探しはじめ、社外の友人をメールでお誘いをするのが日課になっていました。

 

店主は当時から後々、カードの請求などで誰とどこで食事したかを思い出せるよう、手帳に飲みにいったメンバーを書きとめておいていました。この年の年末、あらためて1年間で誰と何回くらいの飲みに行ったかを集計してみたのですが、トップの友人はなんと、70回近く行っていました。少なくても毎週1回は飲みに行っている計算です。

 

いま思えば、あれだけ飲み歩いてよく翌日も普通に仕事ができていたと感心するばかりです。やはり40代前半はいろいろな意味で働き盛りであったような気がします。

 

つづく…