春のカジュアルでトップスの代表格といえば、今日ご紹介する2つをおいてほかにはないだろう。というか紹介するまでもなく、ほとんどの読者のみなさんはすでに持っているアイテムである。
トレーナー
ただしくはスエットシャツ(汗取り用のシャツ)と呼ぶ。これを見つけて「トレーナー」と名付けて国内で売り始めたのもVANである。
トレーナーがIVYのアイテムだと知っている人は、IVY好き以外にはほとんどいないと思うが、そのくらいわが国の暮らしに根付いている衣料品である。
お気に入りブランドの一着を買って、今回のようなボタンダウンシャツとチノパンに合わせれば、アイビーボーイを代表する清潔感あふれる鉄板コーデになる。
また、ボタンダウンシャツとレイヤー(重ね着)ではなく、Tシャツの上に着ると襟がなくなりグッとカジュアル感が増す。
ホワイトジーンズにスニーカーを合わせ、霜降りグレー色の胸にはアイビーリーグ各校のロゴが入っているモノを合わせれば、気分はもう60年代である。
トレーナーは、すでに大衆向けに市民権を得ているだけあって、さまざまなファッションジャンルに合わせたものが売られているのも特徴のひとつである。
本来のスポーツウエアとして、機能性を重視したブランドロゴ入りのものから、その道の方が好みそうな高級ブランドのロゴ入りのものまでとても幅が広い。色も含めて、どのようなブランドを選ぶのか、センスが問われるところでもある。
自信がないのであれば、まずはユニクロなどに置いてある無地のものから取り入れてみるのが無難だ。価格もリーズナブルであり、色違いをそろえてローテーションするだけで、コーデの幅がとても広がる。ふだん身につけないような色にも挑戦してみたい。
クルーネックセーター
トップスの代表格をもう一つ、といえばやはりクルーネックセーターになる。これはIVYのマストアイテムのひとつでもある。
マストアイテムとは、IVYのワードローブ(洋服ダンス=中身ということで持っている衣装の意)のなかで、どうしても持っていなければならないアイテムをさす。これまで紹介したブレザーやボタンダウン、チノパンツやローファーなどはその代表格である。
IVYでよしとされるのは、英国製のシェットランドウールで編み上げ、クルーネック(丸首)に仕立てたものである。
IVYのアイテムは、米国の有名進学校群(IVYリーグ)の学生が身についていたものがベースになっているが、そのIVYリーグ自体が英国のケンブリッジやオックスフォードといった大学をお手本にしているので、アイテムも英国にルーツを持つものが自然と多くなるのである。
クルーネックセーターの基本はウールで編み上げられたものだが、春先は志向を変えてコットン製のものなどもさわやかに着こなすことができる。
最近はこれらもユニクロなどで、リーズナブルに手に入れることができるので、トレーナー同様、色違いを複数枚そろえ、組み合わせを楽しんでみるのもおもしろい。
トレーナーとクルーネックセーター、2つのアイテムを複数の色をそろえると、組み合わせがかけ算で増えていき、ほかのアイテムが同じでもかなり違ったイメージになるので、ぜひ試してみることをおススメする。