コート
ウインターシーズンに向けたアウター第2段は、コートである。ジャンパーがカジュアルの代表格であるならば、コートはフォーマル、カジュアル両方のシーンをカバーするアイテムがラインナップされている。
ダッフルコート
アイビー的コートの代表格、ダッフルコート。そのデザインから中高生の制服にあわせても、まったく違和感がないことから、多くの人々に愛用され、アイビーアイテムから定番衣料に昇格した。
一方で制服にあわせるイメージが強くなりすぎ、おとな向けのベーシックアイテムとしては、敬遠され気味である。
ディテールの特徴としては、起毛仕上げの厚手の二重綾織りの生地で仕立てられ、フードがついている。もともと漁師の防寒着が発祥であり、手袋をしたまま服を脱着できるよう、ボタンではなくトグルという浮き型の留め具もポイントである。
その後英国海軍に採用され、各種制服の上から着用できるようゆったりとしたシルエット、ひざまでの丈であった。最近では、ファッション性に重きを置いたショート丈のものもよく見かけるが、IVYアイテムとしてはやはりひざ丈である。
ダッフルコートの老舗ブランドといえば、やはり英国のグローバーオールであろう。1951年の創業以来、ベーシックなデザインを守り続けており、ブランドの目印となっているタータンチェックの裏地と合わせ、ザ・ダッフルコートと呼ぶにふさわしい。
わが国ではネイビーやグレーが主流であるが、それ以外にもキャメルやグリーン、そしてレッドなどさまざまなカラーが着られている。おとなが学生のコートと差別化を狙うのであれば、フォーマルならキャメル、カジュアルならレッドやグリーンをチョイスするのもおもしろいと思う。
実はこのダッフルコート。そのディテールに似合わず、アイビーアイテムのコートのうち、唯一フォーマルもカジュアルもカバーする一着なのである。それゆえコーデの幅はいちばん広く、グレイフランネルのビジネススーツにもフィットするし、ホワイトジーンズなどにあわせればアイビー臭プンプンである。
カジュアルで落ち着いた雰囲気を出したいなら、ボタンダウンにクルーネックセーター、チノクロスのパンツにローファーといった超ベーシックにあわせれば、これだけで見た目の偏差値は70を超えるであろう。
一方明るい色のチェック柄のネルシャツに短めのホワイトジーンズ、そしてデザートブールを履いてダッフルコートを羽織ると、バリバリのアイビーボーイのできあがりとなる。
この幅の広い着回しが可能なダッフルコートこそ、アイビーアイテムのコートとしてまず最初に手に入れるべき一着であろう。