着込んだ服
アイビーが店主のライフスタイルにフィットするひとつのポイントとして、新品のプレスの効いたアイテムだけではなく、長年にわたって愛用し続け、年季の入ったモノも、それなりに味が出てきてイイ感じになるところがある。
コットン素材のアイテムはもちろんだが、ウール素材のジャケットやセーターなども、長年着続けて、シルエットがクタッとしたり、ひじのあたりが薄くなったようなモノも、新品のアイテムにはない、いい雰囲気を醸し出すのだ。
これは、単に古着などのように時間が経過していればいいというものではない。やはり、オーナーとともに過ごしてきた時間やさまざまな経験が服にも刻み込まれ、それが、オーナーが身にまとうことによって、絶妙なフィット感や存在感を出すのだと思う。
この感じの代表選手はなんといってもブレザーやツイードのジャケットである。ツイードのジャケットは、素材自体が頑丈にできているので、もしかするとオーナー1代ではなく、子や孫に引き継がれることで、雰囲気がでてくるかもしれない。
長年に着続け、ちょっとクタッとしたブレザーなどは、アイビーアイテムとしては最高である。そのブレザーのヨレ具合とシンクロするような歳相応のオーナーに着られることで、最高のフィット感と味が感じられるのだ。
こんな雰囲気を出してくれるアイテムはやはりアイビーのほかにはなかなか見当たらないと思う。モノを大切にして、かつそれが味になってくる洋服、やはりホンモノの服だけが持つ独特ななにか、なのであろう。
こんな味を出してくれる一着に出会いたいのであれば、まずは仕立てのいいトラディッショナルなディテールのネイビーブレザーを手に入れることをおススメしたい。