IVY的素材
毎日猛暑が続いているが、暦のうえではあす7日(土)が立秋である。まだその気にはならないかもしれないが、コロナでしばらく洋服も買ってないし、この秋あたりからは外出もできそうなので、そろそろジャケットでもという読者向けに、IVY的素材を見ていきたい。
タータンチェック
IVYといえばこれっていう人も多いのがタータンチェック。スコットランド貴族の家紋。家によってパターンと色が決まっているので、本場では好きなパターンを着ることはNG。ブラックウオッチ柄はブレザーにパンツにと大活躍だ。
ウインドーペイン
読んで字のごとく窓枠をデザインしたシングル格子。割合太めな柄なのでツイードなどでスポーツジャケットの素材として使われることが多い。ベージュ×茶とかチャコールグレー×黒などの色でウースデッドのものなど、アイビースーツにすると雰囲気抜群だ。
ヘリンボーン
ヘリング(にしん)のボーン(骨)柄からきている。見た目からも魚の骨といった感じのバターン。日本では杉綾織り呼ばれている。スーツ、コート、パンツ、ジャケットなど万能パターンである。この素材が似合うようになってきたら、それなりに年季の入ってきた証拠だ。
グレンチェック
正式にはグレナカート・フラットという。スパンが違うチェックの多重格子である。90年代くらいまでは誰しも一着はもっていたと感じるくらい街中で見かけたが、ブラックのスーツが主流になったころからパタリと見かけなくなった。IVY的素材の代表格でもあるので、そろそろスーツとして復活させたい。
チョークストライプ
文字通り布地の上にチョーク(白墨)でかいたような太めのラインをのせる。ウーステッド地でスーツを仕立てるのが王道だが、最近はめっきり見かけなくなった。どうも縦縞のスーツというのは、わが国では印象がよくないらしい。色は紺かグレイが正統派。
ガンクラブチェック
文字通りハンティング・ジャケット用として作られたもの。わが国では弁慶格子という。ちなみにハウンド・トゥースの日本名は干鳥格子。よく見ると千鳥の群舞にも見えてくる。ツイードででスポーツ・ジャケットに仕立てるのが定番。
千鳥格子
ハウンド・トゥースとは猟犬の歯の意味。どことなく歯に似ている。非常に英国的なクラシック・パターンでスポーツ・ジャケットやバンツによく使われる。
ホームスパン
自家紡績の意味。ツイードのパターンの中ではキング・バターンと呼ばれている各種の色毛を使った定型のないミックス・パターンである。スポーツ・ジャケットやパンツ、カントリー・スーツと多用できるIVYらしい素材。
いかがであろう。この連休にでもジャケットをオーダーしに行くのも悪くない。ぜひ参考にしていただきたい。