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人事屋修行記(第93話)

社外ネットワーク

2002年に人事の係長になってから、新卒、中途と採用も責任者の立場として見てきました。要員のやりくりの関係上、採用のイベントや面接など、実務の部分に立ち会うことも多く、この仕事の特徴ですが、社外の人々と仕事で多くお付き合いをするようになりました。

 

就職情報会社とは、複数社とお付き合いをしていて、日々の実務でのやり取りはもちろん、年に数回の企画提案や営業など、さまざまな場面でコミュニケーションをとらせていただき、会社内にいるだけでは得られない世間同行や他社の動き、市場のトレンドなどたくさんの情報や気づきを得ることができました。

 

そんな中、就職情報会社の中には、採用イベントの後に情報交換会と銘打って、参加企業の人事担当者に声をかけ、反省会兼飲み会をやってくれる会社もありました。採用イベントに出ている人事担当者は、ともすると商売がたきといった感じで牽制しあっている感じがありますが、実は内心、他の会社の同じ担当者としてコミュニケーションをとりたがっているもので、毎回結構な参加率でした。

 

 

そんな感じでイベントに参加するたびに、面識がある方々が増えていき、イベントにでること自体が楽しくなっていった時期に、就職情報会社の営業担当者から、こんなお誘いを受けました。

 

「今度、自分が営業担当としてお付き合いしている人事担当者の中で、カッコイイと思う人だけを集めて飲み会やるのですが、是非参加してみませんか」自分のことをカッコイイとはまったく思っていませんが、カッコイイ人にお会いするのはとても楽しみです。是非、参加させてくださいとお願いをし、その日を楽しみに待ちました。

 

2005年11月の夜、有楽町の待ち合わせ場所に行ってみると、既に1人が来ていました。そして有名な食品メーカーや誰でも知っているプロバイダー、フリーペーパーの会社、ネット広告最大手の急成長企業の人事部次長や放射線関連の専門商社など業種も規模もバラバラな会社から、カッコイイ30代の人事屋さんたちが集まってきます。

 

 

こういう異業種交流会的な飲み会って結構あるものですが、終わってみるとなんか表面的なやりとりだけで、相手の腹の探りあいみたいな感じになってしまい、結局「また機会があったら是非」とかいって何もなしという感じがパターンなのですが、この日は違いました。

 

一軒目が終わったのが11時過ぎ、まもなく終電もなくなる時間です。それじゃまたってことになるのかと思いきやメンバーの中で一番遠い横浜から来ている方が「終電までもう一軒行きましょう!」って一言で二軒目へ。で結局終わったのは、なんと電車が動き始めた5時近く。

 

みなさんと過ごして感じたのは、仕事も年代も近くて話題や価値観、悩みなどもお互い共有でき、前向きに刺激し合える友人という印象でした。その後何度となく合うことになるのですが、そのたびにまるで中学や高校の同級生にあったような感じで、久しぶりにあったにも関わらず、まったくブランクを感じず、話がスタートするのでした。

 

このメンバーの集まりは、30代の素敵な大人の集まりということで30'sと名付けられ、その後、夏の民宿合宿や忘年会、BBQなど定期的なイベントを重ねながら、メンバーも増えていき、今年で18年になりました。

 

社会人になるとなかなか社外のネットワークを持つことが難しいといわれる中、店主にとってはかけがえのない友人を持つことができ、そのきっかけを作ってくれた仕事と会社にとても感謝しています。

 

つづく…