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人事屋修行記(第68話)

B2プロ

2000年頃にB2プロジェクトという企業プロが立ち上がりました。内容は名称どおりブラジル二輪プロジェクト。アマゾン川の上流3千キロに位置するマナウスというブラジル第二の都市に、二輪のキャブレター工場を立ち上げるというミッションです。

 

当時の人事部門では、課長の方針で海外現法の立ち上げについては、人事として積極的に支援していくというスタンスで、その前後で中国南京やインドプーネの現法立ち上げのお手伝いをプロジェクトや現地法人に行ってきていました。

 

「そろそろ現法立ち上げもやってみるか」と課長のひとことで担当決定です。早速ブラジルの歴史や文化、日系人移民に関する本など数冊を買ってきて勉強をスタートしました。その他に経理の係長を通じて、グローバル展開しているメガバンクさんから、各国進出企業向けのガイドブックも入手し、いろいろな知識を収集しました。

 

当時すでに完成車メーカー傘下のグループでは、マナウスに親会社をはじめ、部品メーカーも2社ほど進出しており、プロジェクトではグループ会社の立ち上げ担当者などを通じてさまざまな情報やアドバイスをもらっていました。

 

 

当社の現法立ち上げは基本的プロセスがパターンとして決まっています。まず、二輪車用部品からスタート。これは、新興国の場合、所得水準から二輪を売っていき、その後GDPがある水準を超えるところから四輪を追加していくという親会社のパターンと同期しています。

 

工場は、はじめ組み立てライン一本からスタートし、会社運営の基礎や管理体制の構築をして会社運営を軌道に乗せます。この時期に現地採用の従業員についても、日本研修をしっかり1年程度やって、当社のモノづくりの基本や仕事の進め方の基本を体得してもらいます。

 

そうして、会社運営が安定してきたところで、加工工程、鋳造工程と徐々にラインを伸ばして行き、最終的に素材から最終製品まで一気通貫で作る工程を完成させるというものです。そのようなパターンの中でポイントとなるのは、やはり現地採用従業員の教育であり、具体的にはキーパーソンとなるメンバーに日本研修をしっかり受けさせることとなります。

 

そのようなノウハウを学ぶべく、プロジェクトリーダーの部長さんと一緒にグループ会社の日本の工場に情報交換にも行きました。当時その工場には、たくさんの日系ブラジル人の方が働いていて、その経験者をブラジルで再び採用して活用しているという話もお聞きしました。

 

 

ただ、ブラジルの方々は本国と同緯度のところに好んで働きたがる傾向があるとかで、茨城以北には働きにこないとの情報もあわせて教えてもらい、このパターンはあきらめた記憶があります。

 

このような準備を進めながら、実際に現地に赴いて、会社設立についての総務事項の手伝いと駐在員派遣のための現地調査を行うために、ブラジル出張の計画を立てていくことになりました。

 

つづく…