Cafe HOUKOKU-DOH

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IVY Note No.75

ツイードジャケット

今週に入り、急に秋らしい気候になってきた。東京や横浜でも朝の最低気温が10℃を下回った。このくらいの気温になってくると、急にツイードが恋しくなってくる。

 

昨日は、朝からクライアント企業への企業型DC導入にあたって、顧問の税理士さんと打合せがあり、飯田橋のオフィスにうかがった。

 

打合せ自体は10時からだったのだが、朝の通勤電車のラッシュが苦手なので、飯田橋に7時に着くように家を出た。

 

さすがに6時前では、陽も登っていないので手先がかじかむ感覚であった。こういう雰囲気にはウールのスーツやジャケットよりは、ツイードのザックリとした生地を身にまとうことで、気分的にも暖かく感じる。

 

 

店主のワードロープにはツイードのジャケットが3着吊るしてある。そのうち2着はヘリンボーンというニシンの骨(Herring bone)という意味の、見た目が魚の骨に似ている独特の模様の生地でできている。

 

昨日着たヘリンボーンは、もう25年くらい前に地元のVANショップ仙台恒例の、お正月福袋に入っていたものだ。1万円のその福袋には、そのほかにもアイビーやトラッドの定番商品が数万円以上も入っており、毎年重宝していた。

 

しかし、30歳前後の店主には、このヘリンボーンツイードジャケットは、なにかシックリこなかった。ド定番のデザインやカラーなのに、なぜか似合わないのである。

 

無理に着込んでいこうとすると、カミさんに「まだ早いんじゃない?」といわれ、ワードロープに10年以上も吊るされたままであった。

 

 

しかし、年相応の風貌や体形になってくると、不思議とフィットしてくるのだ。40代中盤くらいからは冬の鉄板となり、これがないと着回しがむずかしくなるくらい、大活躍の一着となってきたのだ。

 

やはり、なんの飾りもないフツーの服を着て、存在感などがにじみ出てくるようになるには、それなりの人生経験が必要なようである。