参考図書
先日クライアント企業の人事担当者さんから、専門性向上のための自己啓発について相談をいただいた。
現職では労務管理全般を担当されているが、実は未経験であり、ようやく仕事にも慣れてきたので、担当分野の専門性をしっかりと身に付け、社員らの問い合わせなどにもスムーズに対応していきたいのだという。
専門性習得
そのような相談を受けたので、店主からはこんな提案をさせていただいた。
「もし読書が苦手でなければ、おススメの参考図書を買っていただいて、それをご自身で読み進めながら、わからない部分やもっと詳しく知りたいポイントなどを、定期的に時間をとって面談してはどうでしょうか?」
読書は苦手ではないことはわかったが、2人の小学生のお子さんがいる。時間がとれるか?との問いかけには、とりあえずチャレンジしてみるとのことで、参考図書をテキストとした自己啓発をスタートさせることになった。
自己啓発手段
これらの手段については、時間、費用や効果、習得したい知識やスキル、難易度などを勘案して、最適なものをチョイスしていけばいい。向き不向きもあるので、一概にこの手段が最適というのはむずかしい。
店主はこの中では、「読書」が自分には向いていると考えている。安価であることが大きいが、そのほかにも、本当に必要になったときに、テキストを本棚から取り出して詳細を確認できるところが大きい。
学習機敏性
そのほかにもっとも大切なポイントがある。「参考図書を自ら見つけて、そのテーマの本質を理解して、課題に応用できる」という能力をトレーニングできることである。
仕事における職位が上がってくると、自組織でこれまでに誰も経験したことのない問題や課題に突き当たることがある。このような場合に重要になってくるのが「学習機敏性」といわれる能力である。
「ラーニング・アジリティ(Learning agility)/ 学習機敏性」とは、「新しい環境や経験から素早く学び、それらを未知の問題に応用できる能力」を意味します。
具体的には、
- 新たなスキルが必要、または、やり方・考え方の違う新たな職場に異動しても、速やかにスキルや知識を身につけ順応し成果を出していく能力
- まだ誰も経験したことのない新たな環境でも、過去の経験と環境情報から新たなプロセスを構築していく資質
などのことを指します。
出典:en world HP
変化のスピードが速く、不確実性の高いこれからのビジネス環境では、非常に注目される能力である。この能力をトレーニングするのに、参考となる書籍や文献を調べて仕事に活用していくことが役立つのだ。
チョイス
今回クライアント企業の人事担当者さんから相談され、参考図書を探した。たどり着いたのは社会保険の参考書であった。社会保険関連の書籍は、すべての会社が関係するので、多数出回っている。
それらの書籍の中から、今回の自己啓発の要件である、「実務手続きの解説よりは、概略を俯瞰して理解し、自身の担当している業務が、なんの目的で全体フローのどの部分を担っているのか」が理解しやすいものをチョイスしなければならない。
アマゾンでいろいろな書籍を調べていて、ピンときた1冊があった。まずはこれを買って内容を確認しようとしたところ、なんと4ヶ月前に購入済みであった。
はて?なんで買ったのかと、すぐには思い出せなかったのだが、いろいろと考えてみたところ、ほかのクライアント企業から新人教育のお願いをされた際に、テキストにするために試しに買ったものであった。
これにはわれながら感動した。まったくまっさらな状態で、初心者向けのテキストを探して、同じ書籍にたどり着いたわけである。
これが店主のコンサルタントとしての付加価値のひとつだと思ったが、4ヶ月前の出来事を覚えていれば済むことだと考えると、なんともいえない気分になったのであった。