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【いまさら訊けない】Office基礎講座17 人事の基本、年令計算

入社以来人事を担当してきて、Excelの登場が店主の仕事を劇的に変えた2つの機能がある。年令計算と台帳照合機能だ。年令計算はそのものずばり生年月日から年令を計算してくれるものだが、台帳照合とはいわゆるVLOOKUP関数である。VLOOKUP関数については、別の機会にしっかりと紹介するとして、今日は年令計算について見ていきたいと思う。

 

人事における年令計算の基本

ハラスメントや同一労働同一賃金が声高に叫ばれている昨今、社員の年令を取扱うのは、人事としてはとくに気を遣うところではあるが、やはりわが国では人事管理において年令の管理は避けて通れない。

 

Excel登場前は、汎用機で動く人事情報管理システムの社員検索機能で対象の社員と基準年月日を設定することで、紙にプリントアウトされる対象者一覧に基準日現在の満年令が計算され、それを転記したり、人数を数えたりしていた。またリスト抽出しない場合は、一人ひとり手帳の付録にある「年令早見表」を使って計算していた。

 

この作業が人事情報管理システムの検索結果をCSVファイルにダウンロードし、生年月日から指定日現在の満年令を自在に計算できるとわかったときの感動は、コンピューターというもののありがたみが心にしみわたるほどであった。

 

人事管理をしていて年令を扱う場合に気をつけなければいけないのは、「社内で年令の基準日を統一しておく」ことである。特段のことわりがない場合は、学齢と同じ4月1日にしておくと汎用性が高くなる。店主はこの基準の年令を「会社年令」と呼ぶことをおススメしている。

 

ja.wikipedia.org

 

DATEDIF関数

さて、基準日現在の満年令を計算する関数は、「DATEDIF関数」である。しかしこの関数、「数式タブ」から「関数の挿入」ダイアログボックスを表示させ、「関数の分類-すべて表示」を選択しても出てこないのである。

 

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この関数はマイクロソフトによると「非公式」な関数という位置づけだという。その昔のLotus 1-2-3 の古いブックとの互換性を持つためのもので、昔はアドイン関数といって、Excelの設定を変えないと関数自体が使えなかった。

 

関数の定義は以下のとおりだ。

  =DATEDIF(開始日,終了日,単位)

引数の開始日、終了日は、日付を使用する場合、二重引用符 ("2001/1/30" など)、を用い、セルを指定する場合は、セルの番地をそのまま入力する。「非公式」のため、関数の挿入ダイアログに候補が表示がされないのですべてハンドで入力する。タイプミスが無いよう注意が必要だ。

 

単位は以下のとおり設定されている。

(単位) (戻り値)

 "Y"   期間の年数

 "M"    期間の月数

 "D"     期間の日数

基準日現在の満年令を計算させる場合は、開始日に生年月日、終了日に基準日を設定し、単位に”Y”をセットする。そうすると、基準年の4月1日現在の満年令を表示してくれる。

 

たとえば2021年度(2021/4/1~2021/3/31)の会社年令を計算する場合には、

  =DATEDIF(対象セル,"2021/4/1","Y")

と入力すると、2021年4月1日現在の満年令(=学齢と同じくくりで4月1日生まれは早生まれとして計算)が計算される。期間の計算なので、終了日の前日をもって〇年や〇ヶ月、〇日とカウントするとおさえておきたい。

 

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この教科書には載っていないが人事屋さんには必須の関数を使うと、社員データを活用してさまざま管理やシミュレーションが可能となる。この「関数の挿入」ダイアログボックスには表示されない関数はぜひ身につけておきたい。

 

なお、「非公式」というだけあり、上記に記載したほかにも単位の設定があるのだが、その単位にはバグがあり、計算間違いの可能性があるとのこと。気になる読者は以下のマイクロソフトのサポートページを参照されたい。

support.microsoft.com