他人が作成したExcelのリストを流用して資料を作成するケースは多い。とくに人事系の業務では、社員に紐づいた属性情報が一覧になったデータベース形式のものは使い勝手がいい。
しかし、データの管理基準は会社や部署、担当者ごとにさまざまで、自分の使いやすい基準でデータが蓄積されていないケースも散見される。
人事系のデータでよく見かけるのは、リストに入力された氏名の姓と名前の間にスペースが入っていないもの。このリストを使って差し込み印刷などであて名を印字する場合、スペースが入っていないことに違和感を感じる読者も多いのではないだろうか。
このようなケースで完全にPCだけで完結する、万能に使える関数は残念ながら店主のレベルでは思い浮かばない。もっとも関数を3つほど使用して、組み合わせていくことで、ほぼ自動で入力することは可能だ。
しかし、関数式を入力しながら作業をしていくのは、結構な工数である。要は何件のレコード(行、人数)にスペースを入力する必要があるかである。
日本人の姓は、圧倒的に漢字2文字が多い。したがって2文字目と3文字目に決め打ちでスペースを入力し、あとは目視で修正をしていくのであれば、関数は存在するし、オペレーションもあっという間である。
文字列に含まれる、指定された文字数の文字を別の文字に置き換えてくれる関数がある。REPLACE関数だ。使い方はこうだ。
- REPLACE(文字列, 開始位置, 文字数, 置換文字列)
- 文字列には、対象となるセルの番地を入力する
- 開始位置は、セル内の文字列の左から何文字目にスペースを入れるか数字を指定
- 文字数は置き換える文字数を入力するが、このケースの場合は置換ではないので入力しない
- 置換文字列にはダブルコーテーションで囲ったスペースを入力
以下の例では、このように入力する。
- =REPLACE(A2,3,," ")
この式を下方へコピーした後、関数でスペースが入ったセル全体を選択し、「コピー」-「形式を選択して貼り付け」-「値」で文字列そのものに置き換えた後、目視で2字姓以外をピックアップして修正するだけ。200~300行くらいのデータであれば、この方が簡単で速い。
このようなアナログ技も知っておくと便利である。