コミュニケーション
先週に引き続き、今週も別のクライアントさんの年始キックオフミーティングにオブザーブさせていただいた。
単なる仕事に関するコンテンツだけでなく、半年に1回全国から集まる社員のチームビルディングを目的として、アクティビティなども充実していた。
当然メインは、社長からの期初の経営戦略の説明になるのだが、このプレゼンテーションがすばらしいのである。
なにがすばらしいのか?ズバリ毎回同じメッセージを繰り返し社員に語りかけているのだ。
店主は会社員時代から「あたり前のことをあたり前にやる」ことの重要性とむずかしさを痛いほど感じてきた。
あたり前のことなので、だれに話をしても否定されることはない。一方でそれを実践している経営陣や幹部社員にはほとんどお目にかかったことがないのである。
店主はビジネスにおけるコミュニケーションの定義を「相手に自分の意図を伝え、理解、共感してもらい、行動してこちらの意図どおりの結果を出してもらうこと」と考えている。
しかし、多くの経営陣や幹部社員は、話したつもり、伝えたつもりになっているだけで、社員や部下の行動はまったく意図どおりの結果をもたらしていない、となげき、社員や部下のせいにするのである。
社員や部下が意図どおりの結果を出さないのは、伝える側の問題なのである。そこには1回だけ通り一辺倒の説明だけおこなって満足しているケースがほとんどなのである。
彼ら彼女らに社員や部下に伝わっていないことを話すと、ほぼ100%「きちんと話をしている」と繰り返すのみである。
意図した結果が出ていなければ、それは「話をした」という形式的な要件のみを満たして自己満足しているにすぎないのだ。
仕事でのトラブルのほとんどは、コミュニケーションミスから起きる。先日の羽田空港の事故でもそうである。
とくに内容が抽象的になりがちな経営者は、社員に考えを伝える際には社員から「またはじまった」といわれ、モノマネされるくらい繰り返し同じ内容を語ることがとても重要なことは、基本中の基本なのである。
「あたり前」のことを愚直にやり続ける社長の姿に、クライアント企業の描く成長を確信して帰路についたのであった。