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人事屋修行記(第14話)

初仕事

間接応援は、日中のみで17時半には解放されます。応援初日、ようやく終わったと思いながら、一応、配属先の上司や先輩のみなさんに一言あいさつしてから帰るべきだろうと、職場へ向かいました。みなさん忙しそうに仕事をしていました。

 

「終わりました」と声を掛けると、「お疲れさま。それじゃ仕事用意しておいたから、いいかな」と言われ、ダンボール箱が出てきました。

 

中に入っていたのは、給料明細の束です。「この明細を順番に一つひとつミシン線にそって切り離してならべてくれるかな」と言われ、机に座って作業開始です。こうしてボクの人事パーソン最初の仕事がスタートしました。

 

当時の給料明細は、封筒状の明細書を業者にお願いして印刷してもらい、その明細にプリンタで印字していました。両耳に用紙を送る穴が開いている連続用紙と呼ばれていたヤツで、それを印字した後に一つひとつ切り離し、現金支給(!)の人(全社で3~4百人、全体の2割程度でした)については、その袋に現金を詰めて封をとじて配布していました。

 

新人の作業ですので、手際がいいわけありません。結局その日は、明細を切り離して、課ごとに輪ゴムでとめるだけで夜10時までかかってしまいました。

 

寮までは電車に乗っている時間だけでおよそ50分で、歩く時間まで含めると、ドアtoドアで1時間半です。終電は最寄り駅を11時過ぎに出発でしたので、残業はやってもMAX4時間半まで。最終電車に乗って帰ると寮に着くのは24時を過ぎました。

 

満員電車が苦手だったボクは、朝6時には寮を出ていましたので、忙しいと睡眠時間は4~5時間という感じでした。寮から最寄り駅の間にセブンイレブンがあったのですが、その店はめずらしく営業時間が7時から24時までのほぼ店名どおりのお店で、帰りに買い物したくても開いている時間に通ることがほとんどないという状態でした。

 

現場応援後の残業は翌日からも続き、毎日いろいろな仕事が準備されていました。同期のメンバーたちはみんな現場応援が終わると毎日そのまま帰っていきました。残業時間に一人で机に向かって作業をしていると、周囲の職場の先輩たちが「なんで残って仕事しているの?」とよく訪ねられました。

 

当時の職場は、店主の教育係と先輩の2人の女性も毎日遅くまで残っていて忙しそうに仕事をしていました。帰りたくなかったといえばうそになりますが、一日も早く仕事を覚えて職場のみなさんの役に立ちたかったですし、それにはいろいろな仕事をやらせてもらうことが一番だと考え、人より仕事をやらせてもらえることがうれしかったと覚えています。

 

店主が新しい仕事を教えてもらい、覚えていく上で常に気をつけていたことは、仕事の目的をきちんと把握して、全体の流れと、自分が担当した仕事がその後、どのうに使われるかということを意識するようにしていました。

 

教えてくれる教育係の先輩は忙しく仕事をしているのですが、指示をもらったときには必ず自分が内容を理解をして納得するまで何度でも時間をかけてでも確認するようにしていました。そのほうが中途半端に聞くより結果的に効率的ですし、目的や流れを理解することによって自分なりに気をつけるポイントや効率的に進めるための工夫をすることができると考えていました。

 

まあ、先輩からするとかなり面倒くさい新人だったと思いますが、そんな店主を根気よくていねいに教えてくださったおかげで、仕事の基本が身についたと思っていて、今でも本当に感謝しています。

 

つづく…