Cafe HOUKOKU-DOH

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IVYおじさんの創業日誌

駅そば

店主は無類の麵好きである。ラーメン、そば、うどん、パスタなど、定食との二択のときはほぼ麺類をチョイスする。父親が麺好きなのも影響していると思う。ものごころついた頃から外食で記憶があるのは、麺類以外にないといっても過言ではない。

 

朝食は麺類でも日本そばの比率が高い。これを話すと結構な確率でおどろかれるのであるが、わが国のファストフードのはしりは「駅そば」であることを考えるとそんなにおかしな話でもないと思う。

 

最近のお気に入りは、シマダヤの「冷凍 八割そば」である。これをOKストアで大量に買ってきて冷凍庫にストックしておく。市販の麺つゆを水で割ったスープをコンロで沸騰させ、凍ったままのそばを入れて30秒でできあがりである。

www.shimadaya.co.jp

イマドキの冷凍食品の進化はおそるべきものがあり、下手な立ち食いソバ屋より完成度が高い。温かいそばではまったく問題がなく、冷たいそばでも、標準点以上である。

 

朝食はそんなにボリュームはいらないので、デフォルトは天かすをのせた「たぬきそば」である。天かすが入るだけで、しみた出汁のうまみが加わり、さらにおいしくいただけるのである。

 

天かすは近所のスーパーで50円程度で買ってくるのだが、最近何度か天ぷら専門店「ハゲ天」で天丼弁当を買ったついでに天かすをもらってきた。レジの横に置いてあって、サービスでもらえるのだ。

 

サービスの品とはいえ、このハゲ天の天かすはあなどれない。おそるべしうまさなのだ。もともと天丼弁当がコスパに優れていて、たまに買っていたのだが、やはり同じ鍋からすくった天かすなのだから当然といえば当然である。

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この天かす、冷蔵庫に置いていて数日経っても油がまったく染み出てこないのである。スーパーで買ってきたものは、ビニール袋の底に油がたまってしまう。スーパーの総菜をあげた天かすとくらべること自体、専門店のハゲ天さんにおこられそうである。

 

店主は会社員として30年ほど過ごしたが、そのうち半分以上の期間を単身赴任で過ごした。若いころに朝食を毎朝採るよう習慣づけしたので、単身赴任でも朝食は毎朝欠かすことがなかった。そのときの心強い味方が「駅そば」であった。

 

前夜深酒しても、とりあえず身支度して社宅を飛び出し、駅に行くと駅そばにありつけるのである。そばなので二日酔いでもスルスル食べれる。また、毎日通ってもトッピングさえ変えれば味変が可能なのも飽きがこない理由のひとつだ。

 

それだけお世話になっている駅そばだが、店主が仙台から就職で上京してきて、最初におどろかされたのが、そのトッピングのであった。「コロッケそば」というメニューをはじめてみたときの衝撃は忘れられない。

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油で揚げているのは天ぷらと同じではあるものの、その存在は店主のそれまでの常識をくつがえすほどのパワーを持っていた。そしてなによりコロッケそばを食べている人が多数いることに、さらにおどろかされた。決して脇役のメニューではなく、主力選手のひとりといった位置づけであった。

 

もちろん店主もその味に魅了され、かなりお世話になったのだが、このコロッケそば、おもに首都圏の駅そばにしかないメニューなのだ。と書いているうちに食べたくなってきたのだが、自宅でコロッケそばをつくる場合には、コロッケのチョイスに気をつけたい。

 

スーパーの総菜売り場でふつうに売っているコロッケでは、高級すぎてあのB級感が出ないのである。総菜売り場で探す場合には、いかにも「むかしながらの」といったテイストのコロッケをチョイスしたい。

 

それにしても有名店の高級そばとは、あきらかに一線を画した「駅そば」であるが、日本のオトーサンのソウルフードには間違いないと思うのは、店主だけだろうか。