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IVYおじさんの創業日誌

10年前

先日テレビで10年前の話題を取り上げているのを見て、自身の10年間を思い出してみた。

 

当時は会社員で、4月に人事部長に昇進した年であった。仕事は忙しく、たいへんな事もたくさんありつつも、キャリアとして目指していた部長職に就くことができ、まあ順調な歩みを続けていたと思っていた。

 

しかしいま、あらためてこの10年間を振り返ってみると、いまの自分はまったく想像できていない。というより、ドラマの筋書きにもならないほど、想定外のキャリアを歩んできたのだと感じた。

 

人事部長昇進→実行責任者として400名のリストラ実行→化学メーカーへ転職→体調を崩し休職→退職→コンサル業として起業。当時の会社で定年退職の日をむかえることを信じて疑わなかったことを考えると、おどろきの展開である。

 

もっとも大きな気付きを得たのは、化学メーカーに転職したときであった。それまでの店主は「自分の経験は自社内の限られた範囲でしか通用しない」と思い込んでいたのだが、それがいい意味で外れた。

 

 

2つ目の会社は、大手メーカーのグループ会社からスピンアウトし、一部上場をした直後であった。上場会社のコーポレート経験者がほとんどいないのである。

 

人事部門も同様であった。グループ経営の効率を高めるべく、制度や施策は親会社が決めて、子会社はそれを運用していくのみ。会社の事業計画達成のための人的資源管理など、仕事として認識すらされていない状況であった。

 

自身の能力について「意外と役に立つ」と自信につながったのである。

 

化学メーカーからの退職を決め、つぎの仕事をどうしようか考えているとき、いまお付き合いしているクライアント企業の社長から食事に誘われ「起業して会社を手伝って欲しい」といわれ会社を立ち上げた。

 

これもなにかの巡り合わせというか、タイミングというものだし、そのときの決断を後押ししてくれたのは、2社目でついた自信であった。

 

「自分は独立するよりも、人に使われる方が合っている」と思い込んでいたが、やってみると、まあなんとかなったのである。

 

3月で起業して丸3年。4期目がスタートした。4期目に入って仕事が立て続けに2件決まった。とくに営業活動は行っていないのだが、先方さまが「これまでの経験などから適任」とおっしゃっていただき、仕事をいただくことができた。

 

働き方も大きく変わった。毎日判で押したように早朝から出社し、会議をはしご。新宿、宇都宮、宮城の拠点を行ったり来たり。多いときには東北新幹線で週に3往復もしていた。

 

 

いまは定期的に予定が入っているのは、水曜と金曜のみ。半分は自宅からのリモート勤務である。昨年大型案件をいただいたクライアント企業とは、会社が都内にあるにも関わらず、これまで1度もリアルでお会いしたことがない。それでも支障もなく仕事がすすむ時代である。

 

いまの1週間の働きを10年前の自分に伝えても、おそらく信じてもらえないであろう。それほど変わった。「激変」である。

 

10年後、店主は68才になる。どんな働き方をしているのだろう。まったく想像がつかないどころか、これまでにくらべ変化はスピードアップし、大きくなっているはずだ。とてもワクワクしてきた。2034年が楽しみである。