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仕事のすすめ方 No.39

5-1.手段の目的化

中堅社員やときには管理職でもおちいってしまう、職場にはびこっている間違いの代表です。

 

たとえば毎月末に全社員の人数を部門ごとに集計して、全社月末付け要員一覧表を作成する、という仕事を担当するとします。この仕事の目的はなにかというと、第1に社員の人数という会社の全体規模をあらわす数値を基準となるタイミングを決めて測定する、ということで人数の時系列の変化が確認できます。

 

社員の増減というのは会社にとって、もっとも大きい固定費の増減ですから利益に直結しますし、仕事量に対して適切かというのも、仕事そのものの実行に関わることなので、とても重要です。また、社員が退職するというのは、組織にとって大きな変化点ですので、その理由いかんによっては、重大なリスクがかくれているかもしれません。

 

このような背景から目的が設定されているのですが、多くの場合、担当者は要員一覧表自体をつくることが目的化してしまい、つくっておしまいというパターンがほとんどです。

 

本来は要員一覧表をつくると同時に数字の裏にある意味を読取り、必要であれば最近退職者が多い職場に出向いて、オフィシャル、アンオフィシャルに状況を確認し、原因と推定される職場で起きている事実も含めて報告する、というところまでセットでやってはじめて目的が達成されるということを認識する必要があります。

 

しかしこの問題のやっかいなところは、担当者だけではなく、その要員一覧表を提出されて確認をしている上司や、その仕事から報告を受けるはずのさらにうえの上司が、報告がないことをおかしいと感じないところに真の問題があります。

 

社内で行われている仕事は、どんな仕事であれ必ず目的が存在します。手段である仕事自体が目的化し、形骸化していてたいした問題が起きないのであれば、一旦「その仕事をやめてみる」ことをおススメします。