6-7.見える化(1/3)
「見える化」という言葉は、トヨタの製造現場から生まれてきた用語です。本来は、問題の所在を視覚でとらえられるように明確にするよう取り組むことです。欠陥もトラブルも、それらの異常が見えるならば、製造現場が対処できます。つまり、問題点を顕在化させることであり、「目で見る管理」を意味するものです。
見える化は、その後わが国の企業で製造現場だけでなく、たくさんの部門で使われるようになり、その解釈も幅広くたくさんのものが生み出されています。ここでは、生産現場への導入手法を見ることで、見える化の内容と本質を理解していきたいと思います。
(1)何を見える化するのか?
何を見える化するのかについて説明します。見える化されるものの代表例をいくつか挙げてみます。
- 方針・目標管理:会社方針、活動計画・進捗、生産性指標、品質指標、リードタイム、在庫回転率等
- 日常管理:業務進捗管理表、生産進捗管理表、設備稼働率の推移、設備点検結果表、不適合発生率の推移等
- 品質管理:クレーム発生率、不良損金の推移等
- その他:改善提案内容、スキルマップ表等
これらが見える化すべきものの代表例ですが、注意したいことは、なんでも見える化すればよいわけではないことです。情報が多すぎると、逆になにも見えなくなるので要注意です。