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仕事のすすめ方 No.54

6-10.暫定対策と恒久対策

仕事をやっていくなかで、ミスやトラブルといったものは人間がかかわっている限りゼロにはなりません。ミスやトラブルが起きたらまず、それが仕掛り中(実行途中)の仕事であれば、それ以上被害が大きくならないようにまずは仕事を一旦中断し、上長に第一報を報告します。

 

その上で、第1に行うことは、起きている事実の確認です。起こっている事実のみを客観的に把握して、できれば5W1HのうちWhyだけ除いた形(いつ、どこで、だれが、なにを、どのように)でまとめます。ここでのポイントは推測などを一切排除して事実のみを収集することです。

 

第2に影響範囲を調べます。同様のトラブルがないか調べて、対象を特定します。それらを把握した段階で上司に報告をして指示を仰ぎます。ここまでが応急処置の範囲で、ここまでは可能な限り短時間で対応を行います。

 

さて、上長の指示を仰ぎ対応を終えます。しかし仕事は止まったままですので、原因を特定し、当面トラブルが起きないような対策をして、止まっている仕事を再開し、納期があるものについてはまず完了させます。この原因の特定から対策までを「暫定対策」といいます。

たとえば夏場の夕方、暑いので部屋中のエアコンをつけながら、電気調理器を使ったら、一度に電気を使い過ぎてブレーカーが落ちてしまったので、電気調理器を使うときは、エアコンはリビングの1台しか使わない、というルールをつくってブレーカーが落ちないようにするようなものです。

 

しかし、この対応では必要なエアコンと電子調理器を一緒に使うとブレーカーの容量を超えてしまい落ちてしまう、という事象は解決されていません。ですので、ブレーカーが落ちる「真の原因」と呼ばれる根本的な原因を解決しないと安心した生活は保障されません。仕事も同じで真の原因をつぶしてはじめてトラブルに対する対策が完了した、といえるのです。

 

例にもどると、ブレーカーが落ちるのは一度に使う電気の容量が基準を超えている、ということです。ですので、対策としては、エアコンの台数を見直すとか消費電力の少ないエアコンに変える、配線も含めてブレーカーの容量を大きくするなど複数の対策案が出され、その中から安全性、品質、コスト、納期などの要素を勘案して対策案を決定し、実施します。

 

この真の原因を特定して対応することを「恒久対策」といいます。トラブルに対する対策は恒久対策まで実施してはじめて完了しますが、忙しさをいい訳に暫定対策で済ましている仕事もかなりみられます。同じトラブルを起こさないように恒久対策まできちっと実施することを習慣化しましょう。