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IVYおじさんの創業日誌

初受注

今週水曜日、企業型DCの初受注をいただいた。起業当初よりお付き合いいただいているクライアントさんで、DCのパートナーになった後にサービス拡大のご連絡をしたところ、自社には合わないと思うが一応話を聞いてみるということであった。

 

パートナー企業が提供してくれた、説明用のPPTを自社仕様にアレンジ(といっても、会社紹介と各ページのロゴだけ)して、いただいた30分でご説明をさせていただいた。

 

クライアントの担当者さんは、幅広く人事労務分野をカバーする知識をお持ちで、説明は、ポイントのみを説明しただけで、全体像をご理解いただいた。

 

説明が終わってひとこと「これ経営者と社員にとって、やらないという選択肢はないじゃないですか!」と、とてもおどろいておられた。

 

企業年金

すでに1年半近くお付き合いしている担当者さんなので、先ほども書いたようにとくに労務まわりの知識は、下手な上場企業で細分化された担当しか経験していない人事屋さんより、幅広い知識をお持ちだと感じていただけに、店主としては想定外の反応だったのだ。

 

 

説明をしている中でも、月々の給与からDCの掛け金分を切り出して、生涯設計手当として支給しつつ、社員が希望すればそれをDCの掛け金に充当でき、そうすることで、所得税、住民税の課税対象額から除外されることは人事の専門性がなくても理解している人は多い。

 

同様に掛け金が社会保険料の算定基礎額から除かれることはもちろんだが、掛け金の額が標準報酬月額のレンジをまたがないと社会保険料が減らないことや、事業主負担分も一緒に削減できることなども、ひとこと説明するだけで理解していただけるレベルである。

 

それだけの知識を持っている方でも、企業型DCはハードルが高いようである。思い返してみると、店主自身も会社員時代、「企業年金」と名前が付くだけで、苦手意識が首をもたげて、なるべく触らないようにしていたものだ。

 

メリットだらけ

しかし、しっかりと資料を準備しポイントを押さえ、難解な法律用語や99%の人が適用されないような特例などを端折って説明すると、すぐにその大きすぎるメリットをしっかり理解していただいたのだ。

 

企業型DCでも、導入パターンが4つほどある。そのなかで企業、役員、従業員のメリット最大化をねらうのであれば、先ほど説明した、月額給与をDCの掛け金として希望者だけが切り出せる「選択制」がもっとも適している。

 

 

メリットは3つ。①給与額がDCの掛け金分だけ減るので、節税、社会保険料の低減ができる。②運用益は全額非課税。③受取時も税制メリットあり。なのである。老後に向けた資産形成をするのであれば、イの一番に活用する手段なのだ。

 

経営者の意識

今回受注いただいたクライアントさんは、加入希望者を調査するにあたって行う、社員説明を担当者さんが行うということであった。なので、店主としては社員説明用資料をこれまた当社用にアレンジしてお渡しした。

 

そうしたところ6割以上の社員の方が加入を希望したとのことであった。最初の打合せの際に担当者さんは、「社長は、社員にお金に対して自立するよう、勉強して投資して資産を持つべし。という考えの持ち主なので、うまくいくのでは」とおっしゃっていた。

 

今回説明した「選択制」のDCをわが国ではじめて導入したのは、あのユニクロである。導入を手掛けた当時の人事責任者の方は「自分の人生やライフプランは社員が自分で考えることで、会社が決めることではない。DCに加入するかしないかも社員が自分で決めてほしい。自分の将来を自分で考える力を当社は社員に求めている」と語っていたという。

 

人生100年時代といわれるいまの世の中。キャリア自律を求める企業や人事の姿勢として、選択型DCというのは、検討に値する制度だと思うがいかがだろうか。