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IVYおじさんの創業日誌

上司バイアス

バイアスとは、人事領域で使われる場合、偏見や先入観と訳されることが多い。人の本能に関係する反応なので、完全に取り去ることはできないとされている。

 

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認知バイアスという心理学分野での有名なものから、採用の場面で使われる「属性バイアス」や「確証バイアス」などは耳にしたことがある読者も多いと思う。

 

ところでビジネスの場面で、上司やベテラン先輩社員の意見や言動を無批判に受け入れ、反射的にしたがう、といった行動をとるビジネスパーソンを見かけた経験がある読者は少なくないと思う。

 

当然組織で仕事をすすめるにあたり、上司の指揮命令に従うことは当然である。違反すれば最悪就業規則違反で懲戒処分を受ける可能性もある。

 

しかし、ここで話している内容はそういったことではない。上司の意見や言動を金科玉条のごとく信じて疑わず、そのまましたがってしまうことは、組織としてとても危険なことではないか、といいたいのだ。

 

店主はこれを「上司バイアス」と呼んでいる。つまり「上司は自分よりも優秀で、間違いは犯さない」といった判断を無意識のうちに持ってしまっているのである。

 

これまでの経験から、マネジメントや人材育成の場面で有害だと感じる反応や行動なのだ。

 

わが国は明治の民法に定められた家制度なのか、それとも戦後、たくさんの軍隊経験者が高度成長期の会社をけん引した経験からか、職制上の責任者や年長者を敬うだけでなく、絶対視する雰囲気がまだ残っているような気がする。

 

中学高校の先輩後輩などという関係性からも、その匂いがする。その延長線上で社会に出てからも上司や先輩社員の意見や言動を絶対視しがちである。

 

上司や先輩社員の意見やアドバイスは素直に受け止めることは大切である。しかし、それを無批判に受け入れてしまうことは別なことだ。どんな場面のどんな内容にも、しっかりと考え、自分の考えを持つことはとても大切なことである。

 

その上で、自分の考えと違う場合に、上司先輩の意見とどう折り合いをつけるか?を考え、行動することが大切だと思うのである。

 

とくに自身の担当業務においては重要だ。上司先輩のアドバイスどおりに実行して失敗した場合、残るのはモヤモヤだけである。

 

現代は変化のスピードがとても速くなってきている。店主が新入社員だったころとは隔世の感がある。上司先輩の経験より、担当者の最新知識の方が正しいことの確率は確実に高まっている。

 

また上司も、経験のないことを手探りで一緒に勉強しながらすすめているケースも増えてきているのである。

 

バイアスは取り去ることはできないと書いた。なので、どのようなバイアスに陥りがちかということを頭に入れ、上手に付き合っていくことが肝要である。

 

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「イエスバット」などアサーティブコミュニケーションのスキルを使い、上司先輩の意見やアドバイスも上手に活かしながら、いい仕事をして欲しいと思うのである。