3-7.前任者の残した資料を読み解く
だんだん仕事に慣れてくると、マニュアルがない仕事、とくに頻繁には起きないような仕事も任されるようになります。最初は上司や先輩に一応のすすめ方などの指示を受けて仕事にとりかかるのですが、その段階を過ぎると一応の指示がどんどんと少なくなってきます。「適当にやっておいて」とか「うまく片付けて」などといわれるようになると、ずいぶんと信頼をされている証明のようなものです。
「テキトーにっていっても・・・」と困惑するところですが、このような場合はまず「前任者の残したファイルを確認する」ことからはじめます。あなたにその仕事が任されたということは、あなたがいま担当している仕事と関連性があり、以前同じことが起こったときにもあなたの前任者が対応していた可能性が高いのです。
筆者のこれまでの会社員時代の経験を振り返っても、優秀な人材ほど、過去のファイルや資料を探し回って読み漁っていました。一方であまり優秀ではない人材は、いつまで経っても同僚や先輩に聞きまわってばかりいました。
前任者がマメで事細かにメモなどを残してくれればラッキーですが、だいたいのケースは、その前任者が思い出せる程度の最低限の資料のみを残しておくことがほとんどです。ですので、この残してくれた資料を読み解くにはそれなりのスキルが必要になってきます。
この能力ばかりは、この本でもお伝えするのがむずかしいのですが、ある程度、数をこなしていくうちにコツがつかめてくるというのは筆者の経験上からも確かです。そればかりか、この能力が仕事の段階があがっていき、これまで社内でだれも経験したことのない仕事を担当するときに、もっとも重宝するスキルなのです。
マニュアルのない仕事では、まず前任者の残した資料を読み解くことからはじめましょう。