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人事屋修行記(第169話)

勤務地

2回目の面接は、栃木県の工場でした。宇都宮駅からタクシーで20分ほどで到着した工場は、切削油のにおいがする自動車部品の工場とは違い、とてもきれいで整然とした感じが印象的でした。

 

2度目の面接では、具体的な仕事の内容などの説明もあり、話がだんだん具体的になってきました。その中で出てきたのは勤務地はこの工場になりそうだということでした。

 

当社くらいの規模の、特にB2Bメーカーは東京に本社を置くメリットはそんなに大きくはなく、コストや社内の開発、製造部門などとの連携を考えると、工場に近い方がいいとの考え方は、前職でもそうでしたので、そんなに驚きはありません。

 

しかし、まさか前職と同じように本社の人事部門が工場に置いているという会社がこんなにも身近にあるというのは新鮮でした。また、東京の本社に勤務することを勝手に決めて、転職後の生活設計を考えていました。

 

新婚時代、武蔵小杉の工場に通っていたので、東横線沿いは二人とも土地勘がありました。せっせと物件を探していると、元住吉に間取りも家賃もお手頃なマンションが見つかりました。まだ最終面接の日程さえ決まらないうちから、いつ下見にいこうかという感じでわが家は盛り上がっていました。

 

家に戻ってカミさんに宇都宮勤務の話をすると、とてもがっかり。実は2005年からの新宿勤務の際、翌年度のスタートに合わせて家族で東京に引っ越そうという計画になっていながら、1年で宮城の工場に戻ることになって、東京生活が立ち消えになったことがあったのでした。

 

やっぱり、わが家は東京には住めない。そんな空気が家に流れました。そしてもう二度と来ることはないと考えていた宇都宮にわずか5ケ月で戻ってくることになるのでした。

 

つづく…