世間のせまさ
転職翌年の1月末、鹿沼市にあった工場から下野市に居抜きで買った工場に移転した。開発機能と本社機能の一部が製造部門の一部とともに引っ越したのだ。
現在この工場は本店登記もして名実ともに本社になっている。そういう将来展望も見据えての購入、移転であった。
店主は人事企画の部隊と一緒にこの工場に席を置いた。一方で東京本社にいる採用教育と海外人事のメンバーも見ることになったのは先週のBlogにも書いた。
このあたらしい工場は、広大な敷地と建物があり、シンボルツリーが立つ車寄せがあるエントランスに続く来客スペースには、8~10人で打ち合わせができる応接室が10もあった。

ある日、派遣社員の管理を担当している工場人事メンバーから声をかけられた。内容を聞いてみると「これから派遣会社の営業さんが来社するのだが、よくよく話を聞いたら、新卒採用の提案らしいので、担当部門の責任者として同席してもらえないか」とのことであった。
いそがしいわけでもないので、二つ返事で承知し、商談に同席することに。それもなんと15分後には来るという。
来社されたとのことで、名刺と手帳を抱えて応接室に入っていくと、見慣れた顔の人物がいるではないか!一瞬なにが起きたかわからず、状況を理解するまでに結構な時間が掛った気がした。
応接室にいたその人物の方も同じ反応で、なんでここに居るの?といった表情でこちらを見ている。
派遣会社の営業として訪問してきたのは、1年前に前職の自動車部品会社を早期退職で一緒に辞めた同僚だったのだ。
彼は退職後、エンジニア派遣を専門とする大手人材派遣会社に転職し、前職の自動車部品会社も含め、宇都宮にあるメーカーの研究開発部門に対し、営業をしているという。元々車載用コンピューターのエンジニアだったこともあり、技術的なことも含め、メーカーへの派遣営業としてはうってつけであった。

状況が理解できた後は、同席している派遣担当そっちのけで、前職の仲間などの話で思いっきり盛り上がった。聞けば前職会社にも営業に行って受注しているらしく、元仲間たちの消息などをくわしく教えてくれた。
彼は、AIを使った求人、求職のマッチングアプリの開発にも携わっているらしく、そのアプリのトライアルに無料で参加しないか?という話で来たのだという。
よくよく話を聞いてみると、とても興味深い取組みだったので、その場で即、協力する旨OKを返事した。あたらしい会社は企業規模の割には、結構あたらしいことにチャレンジするのに積極的で、感触としてこの内容なら開発担当の役員も興味を示すと思えたためであった。
こうして、元同僚とのコラボによる、AIを使った社内タレントマネジメントシステムの開発がスタートしたのであった。