9-7.社外ネットワークの大切さ
キャリアとならんで大切なのは、社外ネットワークの構築です。これまでのように新卒で入社し、定年まで勤めるのがあたり前であれば、最悪社内の友人だけと付き合っていても困ることはあまりありませんでした。
しかしこれからのキャリアデザインにおいては、同じ会社に定年まで勤めることを前提にするのは、リスクが大きすぎますし、現実的でもありません。
これから産業構造が大きく変化していくので、わが国の多くの業界で再編が起こることが予想されます。いま安定している大企業でも構造的な問題で将来性に疑問が付く企業はたくさんあります。
要するにこれからは好むと好まざるとにかかわらず、ある日突然、外国人の上司がやってきたり、早期退職を検討させられたりすることが、あたり前のことになるのです。戦後の高度経済成長とともに大きくなり、そして大きくなりすぎて身動きが取れなくなっている企業はたくさんあります。バブル崩壊以降もなんとか延命を続けてきましたが、アフターコロナという価値観の大転換が起こった後には、延命措置も終了となるでしょう。
ある日突然会社から放り出されたら、みなさんの味方になってくれるのは、社外の友人と家族だけです。同じ会社でいくら仲がよくても、それは同じ会社に働いているという前提がある場合が多いということを理解しておいてほしいと思います。退職したとたんにそっけなくなる人もたくさんいます。
あたらしいキャリアに向かっていくときに、なにかにつけて頼りになるのは、やはり社外の友人です。そのときみなさんはあらためて人のつながりというもののありがたみを実感すると思います。
会社員になると自ら意識してネットワークをつくらないと、友人はできません。逆にそのようにして知り合い友人になると、一生の付き合いになることも多いのです。なぜなら縁が切れるきっかけが見あたらないのです。
世の中は結局人とのつながりです。いい人間関係を築いていきましょう。