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IVYおじさんの創業日誌

AIを使って考える

先日、SNSで知り合いが新刊の紹介をしていた。「AIを使って考えるための全技術」というタイトルの生成AIに関する本である。店主は以前から興味を持っていたので、すぐにアマゾンで予約して手に入れた。ところが、届いた本は机の上で静かに積まれたまま、しばらく日の目を見なかった。まぁ、よくある話である。買った瞬間に満足してしまい、読むのは後回し。読者の皆さんの本棚にも、似たような「積ん読」の列がひとつやふたつ、並んでいるのではなかろうか。

 

 

そんな店主を動かしたのは、先日から毎週受講している生成AIの研修だった。あらためて基礎から仕組みや活用例を学ぶことで、自分の中で点と点がつながる感覚があったのだ。なるほど、こういう場面で使えるのか、と。勢いづいた店主は、放置していた本を引っ張り出し、ようやくページをめくることになった。

 

読んでみて驚いたのは、自分を含め、多くの人が生成AIをほんの一部しか使っていないという事実だった。メールの文案づくりや会議の議事録整理、そんな効率化の用途が大半である。もちろん、それ自体は大いに助かるし、時間の節約にもなる。しかし、付加価値の創出というビジネスの本質へのアプローチが抜けていた。

 

それを裏付けるように、研修で紹介されていたデータによれば、日本での生成AI活用の中心は社内業務効率化で7割弱。一方、米国では顧客接点で70%、経営企画で51%と、事業成長に直結する分野での活用が進んでいるという。効率化ばかりに目を向ける日本と、成長を見据えて使う米国。その違いは、なんとなく頷ける。

 

店主の仕事に照らしても、効率化で劇的な効果が出るほどの仕事量はない。むしろ大事なのは、クライアントにどう付加価値を提供するか、である。要は、AIを使ってどれだけ新しいアイデアや提案を生み出し、顧客の課題解決をお手伝いができるか、である。

 

著者は「創造工学」という分野の研究者だった。聞き慣れない学問だが、要するにアイデアを科学的に扱い、再現可能な形にする取り組みらしい。面白いのは、その過程には本来、面倒で時間のかかる作業が多いのだが、それをAIに丸投げできるという点である。著者はこの考え方を「人機共創」と呼んでいた。人と機械が互いの得意を持ち寄り、一緒に創造する。なかなか含蓄のある言葉だ。

 


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ここしばらく、店主は生成AIに触れる時間が格段に増えた。ちょうどExcelの使い始めのときとイメージが重なる。毎日のように自ら手を動かしていた作業をAIにお願いしているのだが、かえって時間が掛かってしまうことも多い。

 

しかし、少しずつ実務に取り込み、成果を見える形にしていくと、間もなくこれを仕事のツールとして使わないのはあり得ないという状況になるのが見えてきた。「向き合うべきラストチャンスは、いま」である。

 

結局のところ、人は道具に使われるのではなく、道具をどう使うかで価値を生み出す。生成AIもまた同じである。いま我々がすべきは、得手不得手を見極め、どこまで仲間として迎え入れるかを考えることだろう。