クールビズを楽しむ
すっかりわが国の夏のビジネスシーンに定着したクールビズ。スタート当初は衣替えと一緒のタイミングで6/1~9/末だったような記憶だが、いつの間にか拡大解釈?されて、5月の連休明けから10/末までがスタンダードとして定着したようだ。
スタート当初は夏物スーツの上着とネクタイを単にはぶいたような、なんとなくだらしない感じがぬぐえなかったが、その後わが国の紳士服業界の努力のおかげで、クールビズ向けの定番商品が売り出され、いまではだらしなさはすっかり払拭されている感がある。
ただでさえ暑い夏が温暖化でさらにパワーアップし、真夏日や熱中症があたり前になった昨今だが、せっかくクールビズとして会社のドレスコードが変わったのだから、ここはひとつクールビズを楽しんでみたい。
ジャケット+パンツ
上着を着なくてもいいシチュエーションが増えたので、スーツではなくぜひシャツ+パンツの組み合わせを基本にして、そこにジャケットをプラスするコーデを組み立てたい。パンツは無難なところからスタートするならば、チャコールグレーのサマーウールのパンツ、それもイマドキの若干細いやつをチョイスする。
パンツの裾は、できればダブルで3.5cmくらいが見た目のバランスがちょうどいい。裾の長さは、いわゆる「ハーフクッション」。靴の甲に軽く裾先が乗るくらいの長さだ。オシャレな若者は思いっきり短くして素足もしくはくるぶし丈のソックスを履いてスネを出しているが、このチャレンジはおススメしない。
ビジネスシーンでのドレスコードの基本は、相手に対して不快感を与えない、ということ。基本は肌が見えない長さのソックスをチョイスし、色もグレー、濃紺、黒などの目立たないものを基本としたい。
シャツはネクタイを外しても襟がだらしなく見えないようにと、ボタンダウンシャツが復活してきた。ボタンダウンシャツの生地は基本オックスフォードクロスだが、これはさすがに真夏にはちょいとキツイ。各社から高機能な生地がラインアップされているので、それらをチョイスすると快適である。
正式なビジネスシーンではワイシャツは長袖というコードも存在するが、それこそ式典でもない限り、店主は半袖シャツをおススメしたい。その分、高機能な生地で色やチェック、ストライブなど上品な柄にこだわって楽しむ方が健全である。
タイドアップ
現在での商談では上着着用という会社もある。そんな場合におススメなのが、半袖シャツにあえてタイドアップしてジャケットを羽織るというもの。タイを締めれば襟の形もボタンダウンにこだわる必要がなく、幅が広がる。
サマージャケットにタイドアップするのであれば、定番コーデはネイビーブレザー+白のボタンダウンにニットのブルー系の横縞か、シャツをタッターソールにするのであれば黒のニットタイがとてもIVY臭がしていい。
足元は全体に軽めの印象のアイテムばかりなので、それとのバランスを考えると、ウイングチップなどの重厚なものより、ローファーなどのスリッポンが合う。前述のコーでにヴァンプなどを合わせると店主などはもう涙モノである。
小物の色づかいでワンランクアップ
上着を脱ぐ機会も多いので、せひ気を遣いたいのが小物の色合わせである。革素材の靴、ベルト、時計のベルト、カバンなどについては、黒系、茶系とトーンを統一して身につけるとさりげなく一段レベルアップする。見るひとが見るとしっかりとコーデの基本を実践している人物と評価される。
このような感じで、まずはパンツとシャツのバリエーションを広げ、コーデを楽しんでみてはいかがだろうか。会社に行くのが楽しくなってきたらホンモノである。