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人事屋修行記(第50話)

人事情報システム統一チーム

1998年の春すぎになると、人事制度整合の概要がだんだんと伝わってくるようになりました。日程感としては、10月1日付で資格制度、賃金制度、12月に賞与、勤怠、そして翌年の年間評価から評価制度と昇格制度を順次整合し、新しい統一した仕組み、ルールで行うとのことでした。

 

文字で書くとこれだけのことですが、この実務作業を整合し、新しい運用ルールを決め、業務フローを作成し、それらの処理をシステムを新たに立ち上げて、そのシステムに現状の旧3社別々のシステムからデータを移管し、そのシステムを使って業務を処理していかなければなりません。

 

さすがにこれはひとりではどうにならず、ある程度の人数からなる体制を作って、組織だって進めていかなければならないと考えました。そこでボクはこの作業をすすめるに当たっての組織体制をつくり、そこに当時の旧各社の実務担当エキスパートをあて、チームを編成し、係長、課長の内諾を取り付け、部長へ提案をしました。

 

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「人事情報システム統一チーム」これが、店主の提案したチームの名称です。チームは非公式の部内プロジェクトの形式を取り、チームの責任者として役職昇格したばかりの係長を筆頭に、人事情報、給与制度、厚生制度、勤怠制度、評価制度などのサブチームを編成し、それぞれに旧3社の人事、給与のエキスパートを配置しました。

 

本来であれば、若手のボクらだけで進めるべきとは思っていましたが、なにぶん短期集中で一気に整合して立ち上げなければなりません。ここは一つ経験豊富なベテランの力を借りるべく、川崎工場人事当時の元上司に頼み込んで、長期出張で宮城の工場に来てもらいました。

 

チームは、工場の応接室を借りきり、そこを事務所にしてスタートしました。店主は、半年前に入った後輩に給与などの実務はすべてまかせ、チームの仕事に専念する体制を整えました。事実上のチームの取りまとめは店主の担当です。とても片手でできる仕事ではありません。

 

まずは元上司と2人で、先ほどの大まかな日程から制度ごとにやらなければならない作業をタスクレベルですべて棚卸しをし、それを計画書として詳細のスケジュールも入れてサブチームごとにまとめました。段取り八分とはよくいったもので、仕事はやるべきタスクと日程を計画書としてまとめると、あとは、その計画書にしたがってすすめ、進捗管理をしていけばうまくいくものです。

 

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サブチームごとに責任者を決め、その他に旧3社から実務担当者を配置し、作業をすすめていきました。作業がだんだんと佳境に入ってくると、チームの部屋に来て作業をするメンバーも増え、さすが応接室では手狭になってきたので、工場2階の製品開発フロアの奥にある大きな部屋に引越しをしました。

 

この部屋はそれまで、人事企画が使っていたました。整合作業がひと段落して、われわれ実務メンバーに整合した規定などを渡したあと、本社に引っ越していったので、そこを使わせてもらうことにしました。この部屋は、人数でいうと20人くらいが余裕で作業ができるくらいの部屋で、実に仕事に専念できる場所でした。

 

こうして、制度整合への対応の準備は、組織、体制、計画そして場所と着々とすすんでいきました。あとは、具体的な規定と移行時の取扱いがくれば、あとは決められた納期に向けて黙々と作業をすすめていくのみです。

 

つづく…