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人事屋修行記(第53話)

勤怠システム

人事情報管理システムの統合作業もたいへんではありましたが、見方を変えてみれば、情報の箱を作って入れるだけ、あとは、検索の方法を若干工夫するくらいといえます。

 

また、この頃から管理するデータは、テキストファイルにダウンロードしてExcelでユーザーが使いたいように加工するという流れに思想が変わってきたこともあり、検索機能もそんなに重要ではなくなってきていました。

 

一方、勤怠管理システムは、合併の整合でこれ以上はないというくらい複雑になった勤怠のルールを運用まで含めてすべて整合し、そのルールどおりに時間計算をするよう、計算式をプログラムに組み込んでいく必要があります。

 

チームのメンバーで勤怠管理の実務を経験していたのは、店主と川崎時代の上司のみ。勤怠システムも店主のいた会社のシステムをベースに、整合内容に合うようシステム改修をおこない使用する方針でしたので、実務をよく知っていてシステムにも詳しい店主が担当することとなりました。

 

いつものように旧3社と新しいルールをホワイトボードに書き出し、現行のシステムでは対応できない部分を明らかにしていきます。その後、どのような運用や判断をするのかを検討し決めていきます。

 

 

内容によっては人事企画経由で労組にも確認、承諾をとって行きます。そのように詳細を詰めたものを情シに伝え、システムの仕様書に落としていきます。

 

勤怠管理システムは、当時東芝オフコン上で動く、会社専用に開発されたプログラムでした。実際のプログラム作成は、前回の人事情報管理システム改修から担当していただいたシステムベンダーさんにお願いすることになりました。

 

遅出ルール(勤務間インターバル制度がすでに合併したほかの2社には入っていました!)での出勤時間の繰り下げや、徹夜勤務のときの時間計算など、非常に複雑なプログラム内容に、スタッフレベルのプログラマーでは対応できず、ベンダーの社長さん自らが担当することになったほどです。

 

それでも情シの担当者がしっかりと勤怠のルールを理解して仕様書に落とし込んで、プログラムの改修は無事おわり、テスト版が納品されてきました。12月の1ヶ月間は現行システムとの並行稼動でテストをしていき、1月の給与計算から勤怠も含めてすべて新しいシステムで計算をすることになりました。

 

店主は毎晩、情シの担当者と一緒に勤怠システムの並行稼動前のプログラム検証を必死になりながらやりつつ、現行の給与計算のチェックや年末調整の準備など、すべてが並行で進んでいきました。そんな状況で1998年もまもなく終わろうとしていました。

 

つづく…