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人事屋修行記(第75話)

労使交渉

2002年の秋闘から、人事労政課が組合窓口も担当することになりましたので、店主は初めて労使交渉を担当することになりました。当時は係長で組合員資格休止であったものの、さすがに団交には出席できませんでしたが、交渉以外のすべての事務局業務を担当することになりました。

 

それまでの労担は、人事企画室長の3人の部長級に、事務局でも課長級の主幹さんが担当していて、百戦錬磨のツワモノでした。引継ぎを受けたときははっきりいって店主などに勤まるのかと思いました。

 

それでも合併以降5年間の資料はしっかりファイリングされていて、それまでの交渉の経過や何をどのように進めてきたかは、資料をひっくり返せばだいたい把握できる状況にあったので、そこのところはさすがベテラン集団、大変助かりました。

 

担当して最初の団体交渉は、秋季労働条件改善闘争つまり秋闘です。事務局の仕事といってもその内容は多岐にわたり、準備段階を含めると3ヶ月程度の長丁場となります。

 

 

まずは、前年の日程表をベースにスケジュールを引いて、労組の担当レベルと日程調整の打合せからスタートです。労使とも大勢のメンバーが関わることになるので、とにかく早めにスケジュールを固めて、関係者の予定を押さえることがとても重要となってきます。

 

ここが出遅れると、たった5分でできるスケジュール調整が、半日や一日仕事になってしまいます。ここらへんが「仕事は段取り八分」といわれるゆえんなのかも知れません。

 

その後は、スケジュールにあわせて場所の手配やイベントの設定を粛々と進めて行き、会議通知などを正式に発行して、事前の準備はだいたい完了です。

 

ここからが事務局の本当の仕事となって行きます。実務ベースで、お互いの情報交換をして、双方相手方の意向を探りながら、交渉の内容について、イメージを作っていきます。

 

当然、交渉ですからお互いの利害は対立しています。そこをいかにスムーズにお互いのメンツを立てながら、話し合いをまとめ結論に落ち着かせていくかというのが、労担の事務局のうでのみせどころとなります。

 

 

団交の合間には、事務折衝といって事務レベルで協議を繰り返していくわけですが、そこの場面でだいたいの方向性や水準が見えてきたら、部長、本部長と案をすり合わせ、最終的に経営会議へ回答内容を提案し、承認をもらいます。

 

経営会議で承認をもらった範囲内での交渉を妥結させなければなりませんので、それまでの労使のコミュニケーションというのが、非常に重要になってくることはいうまでもありません。

 

この仕事をはじめて担当させてもらったときは、それこそ今までの資料をすべてひっくり返し、その目的や目標設定から、プロセスの構築まですべて一人でやらせてもらいました。

 

この経験がその後のより高いポジションで初めての仕事を進めていく上でとても役に立ったと今でも感じています。

 

つづく…