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IVYおじさんの創業日誌

評価基準すり合わせ

今週クライアント企業のミーティングにおじゃまさせていただいた。テーマは「評価基準のすり合わせ」だ。

 

この会社は、今年の7月からあたらしい人事制度に切り替えた。改定範囲は等級制度、報酬制度そして評価制度の3つ。ほぼフルパッケージと言っていいい。

 

このあたらしい制度の設計には、昨年1年間かけて店主がお手伝いをさせていただいた。制度設計の定石どおり、課題感と実現したいこと、ならびに中長期の企業ビジョンから導き出した将来の人材像をヒアリング&ディスカッションを繰り返し、制度を組み立てていった。

 

導入には頭出しの全社員向け発信から、説明会などを経て、全社員との個人面談も実施し、かなりていねいな作業を行っていった。

 

 

スタートして約半年。来月が半期末になるので、あたらしい制度におけるはじめての実績確認面談が予定されている。

 

その前に評価者間で評価基準、つまり各評価項目における5~1やS、A、B、C、Dといった評語のレベル感を合わせるためのミーティングを行いたい、と相談をいただき、オブザーブしたのだ。

 

メンバーは、社長以下、執行役員2名とマネージャー4名の計7名。事前にマネージャーから課題感や相談内容を聴いていたこともあり、社長が資料を準備していた。

 

この企業に導入した評価制度は、ほんとにベーシックなものだ。能力を基準とした等級制度用に、目標達成度、コンピテンシー発揮度そしてバリュー実践度の3評価要素群を設定した。

 

このうちのコンピテンシーについて、標準の3点に対し、4点や5点の違いはどの程度なのか?というのが、おもなテーマであった。

 

ミーティングは社長がファシリテーションをしつつ進行していった。マネージャーからもたくさんの質問や意見、実際の毎月の進捗確認面談での事例や、その際の考え方などが共有され、とても活発な議論が行われていった。

 

そのなかで店主がもっとも感動したのは、マネージャーからの質問、疑問や意見に対し、社長以下執行役員陣が制度を熟知し、しっかりと本質をとらえ、かつ自社で起きそうなシチュエーションなどを例に説明していったのであった。

 

制度設計時には経営陣3名と半年間、毎週1.5時間程度の定例ミーティングを繰り返し、一緒に作り上げていったのだが、それにしても見事に自分たちの制度にし、自信をもって部下メンバーに説明していたのであった。

 

はっきり言って店主の出番はなかったといっていい。それほど完璧な内容だったのだ。

 

店主の持論として、人事周りの制度内容はそんなに重要ではない。重要なのはその制度の意味をきちんと理解し、制度が目指した世界を実現するよう、いかにしっかりと運用していくか、にかかっている。

 

そういう意味でこちらのクライアントさんはもう、心配ないと確信した。と同時にいい仕事ができたと、とても満足した1日になったのであった。