ユニクロアイテムの上手な取り入れ方
ユニクロの柳井さんは、もともと父親が経営していた実家の紳士服店を継ぎ、VANの専門店を経営していた。若い時代にIVYやトラッドを通じて、男性の洋服の基本を学んだのである。
No.1でも書いたように、「トラディショナルの定番にシーズンのトレンドが”少しだけ”入った服」がいちばんいい服だと考えるといっている。店主もユニクロの男性向けアイテムはトラッドなデザインが基本であり、そこも幅広い年齢層に支持されている理由のひとつだと思っている。
店主もユニクロのアイテムにはずいぶんとお世話になっている。ただ、ユニクロはわが国でとんでもないシェアを獲得しているので、身につけるにはそれなりにコツが必要だと考えている。とくにファッション好きな人間にとってはなおさらである。
要するに街中でかなりの頻度でアイテムが他人と被るのである。裏を返せばそれだけ大勢の人々に支持されている、認められた服なのだが、やはり他人と街中ですれ違ってあきらかに被っているのは気持ちのイイものではない。
アンダーウエアやソックスなどは見えないか、見えてもほとんど目立たないので気にする必要はない。とくに気をつけたいのはジャケットなどのトップスである。上着なのでどうしても身についてけている服のなかでいちばん目立ってしまうし、デザインや素材もわかりやすい。
トップスはなるべく敬遠した方がいいのではあるが、どうしてもという場合は、色づかいや小物などで、トップス以外に視線が自然と向かうようにすると、相対的に目立たなくなる。
また、洋服以外のカバンやベルト、時計などといった小物を一点豪華にしたり、マフラーや帽子などでアクセントをつけても同じような効果が得られる。
トップス以外でも気をつけたいポイントはいくつかある。まず、見えるユニクロのアイテムは1つだけにするということ。ポロシャツやボタンダウンシャツなどは、ほかのブランド物のアイテムと合わせるだけで、ベーシックなデザインだけに高価なブランドのアイテムに見えてくる。
ニット系やスエットシャツなどは、なるべくベーシックなデザインにする。そうすることで、アイテムが主張しなくなるため、パンツや上着と合わせるとほかの服を引き立たせてくれたり、色づかいによっては気の効いた差し色になったりする。
とくにニットは毎シーズンごとにカラーバリエーションが豊富で、価格もブランド品1着で同じデザインのものが数着色違いをそろえられたりするので、とても重宝する。
たとえば、同じジャケパンに白いボタンダウンシャツを毎日着ていても、なかのニットの色を変えるだけで、まったく違った服を着ている印象になる。これは、会社へ通うのに着ていくものをアレコレ考えるのが面倒なときにはとても楽な手である。
洋服収集が趣味でもない限り、かけるコストは安いに越したことはない。お気に入りのブランド品を着まわす際に、いつも同じコーデとならないよう、われわれの力強い味方であるユニクロを上手に取り入れていきたい。