ハンカチ
最近は、ハンカチをもたない人も増えていると聞くが、店主はハンカチがないと1日も生活ができなくなっている。
もともと大の汗かきのうえ、最近はエアータオルも使えなくなったりと、持っていないと困るという切実な理由もあるのだが、若いころから毎日持ち歩いている習慣の方が大きいような気がしている。
ハンカチを持ち歩くようになったきっかけをいまでもよく覚えている。大学1年生のとき、朝早くにキャンパスの駐車場に健康診断のバスが来て、検診の準備をはじめていた。
そのとき設営の準備をしていたスタッフの人が、ブルーのオックスフォード生地のボタンダウンシャツにブラックウオッチのパンツ、そして茶色のローファーとバリバリにアイビーで固めた人であった。
カッコイイなーと遠目でながめていると、ブラックウオッチのパンツの後ろのポケットから、ハンカチを端が1センチほど見えるような格好で挿していたのだ。
この後ろのポケットからチラリと見えるハンカチの挿しかたにグッと心をつかまれ、それ以来、スーツからカジュアルのデニムまで、どんなスタイルのときも必ずハンカチをパンツの後ろポケットに挿すようになったのである。
ハンカチにもこだわりはあって、このスタイルをはじめたときから「バーバリー」のチェックのハンカチと決めていた。バーバリーのハンカチにはかなりお世話になって、それ以来20年ちかく、つねに10枚程度をストックしておいてローテーションしていた。
しかし2015年に三陽商会がバーバリー本社とのライセンス契約を終了したため、とても気に入っていたバーバリーのハンカチが手に入らなくなってしまった。
代わりのモノをいろいろと探したが、あの独特の風合いや肌触りのハンカチには出会えなかった。が最近は、シャツメーカー「鎌倉シャツ」のモノを愛用している。
鎌倉シャツのハンカチは、シャツをつくったときにできる端切れでつくられており、価格もとてもリーズナブルである。ただ、同じ柄や生地のモノを手に入れることはまず無理であり、そこが唯一の難点。
それでもいろいろと探した中では店主の一番のお気に入りなのである。もし鎌倉シャツのショップを訪ねることがあったら、ぜひ手に取って見て欲しい。そのコスパのよさにおどろくはずである。