ワーケーション
カミさんがこの3月末で勤続5年のため契約更新せず退職する。退職日に向けてたまった年休を消化するということだったので、旅行に行こうという話になった。
まとまった休みがとれるので、以前からふたりで行きたいと考えていた出雲大社を目指し、山陰旅行に出発した。
カミさんは年休である。店主はクライアントさんにお願いし、定例のミーティングは翌週に調整していただいた。しかし緊急の場合にはいつでも対応しますとお伝えし、また1時間程度の定例ミーティングについては、Webで対応させていただくことに。ワーケーションである。
1日目
今回の旅は鉄道や飛行機+レンタカーも考えたが、旅程にも余裕があり、乗り慣れたクルマで快適に移動したいと考え、マイカーで行くことにした。
倉敷までの道のりは約6百キロ。そのほとんどが高速道路である。3連休の最終日に出発したので道路は空いていた。雪の予報が出ていたが、御殿場あたりでちらついただけであった。
倉敷での宿は、百年前の紡績工場をリノベした風情ある建物。内装も最新のものに最近入替えたようで快適。これで1泊6千円はかなりリーズナブル。
長期滞在しながら近隣を観光するにはもってこいの宿である。そのうちぜひチャレンジしてみたいものだ。
2日目
世界遺産石見銀山へクルマで約3百キロ移動。雨がふったりやんだりとあいにくの天気であったが、到着時にはなんとかやんでくれた。
この石見銀山、世界遺産のなかでも観光客が少ないワーストでかなり上位の方とのことで、雨の月曜日ということもあり、ほとんど人がいなかった。
2日目の宿は、しじみで有名な宍道湖の近くにある玉造温泉の長生閣。温泉街にある大きなホテルだ。味噌汁以外のしじみの食べ方を経験できるかと楽しみにしていたのだが、佃煮として出てきたのみであった。
3日目
朝から足立美術館へ。枯山水の広大な庭園で有名だ。美術品を見るよりも店主も含め、他の観光客もとても庭に興味があるようであった。
この日、クライアントさんから急遽打合せをお願いしたい、との連絡が入った。宿に早めにチェックインすることで、対応可能と連絡し、宿からWebで1時間ほどミーティングを行った。
この日の宿は出雲大社の目の前にある「旅館 竹野屋」。あのシンガーソングライターの竹内まりあさんの実家である。
風情のある外観やロビーとは裏腹に、客室はしっかりとリノベされており、とても快適な宿泊であった。
4日目
早めの朝食を済ませた後、今回の旅のメインイベントである出雲大社へ。さすが国中から八百万の神が集まる社だけあり、神さまの宿や厨房、会議室などさまざまな施設とされる建物が配置されている。
それにしても国中からたくさんの神さまが集まってきて縁結びの相談をするなどという、一神教を信じる人々が聞けば卒倒するような発想は、いったいどこから生まれたのか?などと考えながらお詣りした。このような多神教の価値観がこの列島の平和に大きな影響を与えたことは間違いない。
出雲大社の後は、山陰をはなれ一路琵琶湖を目指す。道中の中国自動車道はとても空いていて、夕方5時からのWebミーティングには余裕で間に合った。
ホテルにチェックインし、さっそくPCを立ち上げやはり1時間ほどのミーティングをこなす。琵琶湖に面した大型ホテル「琵琶湖ホテル」は部屋の窓いっぱいに湖が広がり、広めな部屋やソファ、テーブルなどもそろっており、会議にはもってこいのホテルであった。
5日目
今日は朝食後、1時間のミーティングを行ったあと、比叡山などをまわって横浜へ帰る予定だ。
はじめて旅行しながら仕事をするというワーケーションなるものをやってみたが、事前の準備さえしっかりと行っていれば、外で働くこと自体、いつもやっているオフィス以外の場所で働くこととなんら変わりはなく、旅を楽しみながら仕事にもしっかり対応できた。
一方で今回も1時間を超えるミーティングについては、あらかじめクライアントさんにお願いし、スケジュールを調整していただいた。また、急な対応などを考えると、クルマを利用した旅の方がフィット感は高いと感じた。最悪クルマを駐車場などに止め、Webミーティングなどにも参加できるからだ。
この仕事と旅のスタイル、スケジュールの自由度が格段に上がるので、今後も上手に活用しながら、さまざまな経験をしていきたいと思ったのであった。