Cafe HOUKOKU-DOH

~ホッとひと息的な読み物でブレイクするサイト~

IVYおじさんの創業日誌

JAPAN TAXI

ひょんなことから引き受けた JAPAN TAXI のプラモデルを約3ケ月半かけて先日ようやく完成させることができた。レーシングカーではない公道を走る車両を手掛けるのは、2年前のモデラー復帰後、はじめてであった。

 

 

店主が昨年から取締役をつとめさせていただいている新卒採用コンサル会社では、さまざまなユニークな取り組みを、若手社員のアイデアで行っている。そのひとつに「マニアシェア会」というものがある。

 

社員同士お互いの理解を深めるという目的で、仕事以外の顔を知ることができるよう、趣味など自分の好きなことを披露するという、ランチをしながらの楽しいWebイベントだ。

 

社員のディズニー愛あふれるプレゼンを拝見したとき、「自分には何があるか?」と考えた。当然今ならプラモデルである。イベント後にアンケートが回ってきて、回答すると、最後に「自分も発表者として参加してもいい」という選択肢があったので、深く考えずに「ハイ」を選択した。

 

アンケートの存在すら忘れていたところ、突然登板のお声がかかった。「発表者参加OK」と回答したのは、店主だけだという。自動的に発表することに。

 

1月半ばにプレゼンした店主の「マニアシェア会」は、モデルの制作過程を動画にしたり、屋根裏のアトリエからライブ配信でこだわりポイントを解説したりといった内容であったが意外と好評なようであった。

 

 

するとその噂を聞きつけた会長から連絡が入った。大口取引先であるタクシー会社の社長さんから、

 

自社のタクシーをモデルにしたプラモデルをプレゼントされたのだが、作り手がおらず、箱に入ったままになっているという。もしよかったら作ってもらえないか?というお願いに断る理由はなかった。

 

 

さっそくそのプラモデルを受け取り、制作スタートである。いつもはレーシングカー専門なので、かなり勝手が違う。カーモデルはボディのツヤが命なのだが、レーシングカーとは比べものにならないほどに面積は大きく、かつブルーがかった黒という塗装も磨き傷を消すのにいちばん難易度が高い。

 

出来栄えに納得が行かず、ボディのクリアコートと磨き工程をやり直したりして、ようやく完成にこぎつけた。

 

この「失敗できない」前提のプラモデル作り、いつもは自分自身の納得度だけの問題であり気楽なものなのだが、ひとにお願いされて作品を手掛けるというのは、そこに責任が発生するわけで、趣味の領域を超え、プロモデラーの気持ちが若干ではあるがわかった気がした。(報酬をもらっているわけではないのでプロとはまったく違うが)

 

このプラモデルのように、自社名ロゴが入ったグッツというのは、その会社の社員にとっては眺めているだけで気持ちがあがるものだ。

 

 

店主も会社員時代、会社がスポンサーとなったレーシングカーが走る姿を見て大興奮し、レース当日には多くの社員がサーキットに詰めかけみんなで応援した。ロイヤリティを高める効果を目の当たりにしたのであった。

 

そんな JAPAN TAXI のプラモデルである。しっかりと展示ケースに入れてオフィスのエントランスに展示して、来るべきお客さまの来社に備えることで、おもてなしのひとつとしてほんの少し会社のビジネスに貢献できるのでは?と、ひとり満足するのであった。