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仕事のすすめ方 No.84

9-1.やりたい仕事

新卒定期採用で会社に入ると、職種別採用以外は基本的に会社ニーズによって配属先が決定するパターンが多いと思います。一定程度本人の希望を聞かれる会社もありますが、全体でみるとまだ少数派のようです。

 

わが国の新卒採用は、よく就職ではなく就社だといわれています。職を選ぶのではなく、会社を選び、その会社のなかで育成され、成長していくわけですが、キャリア形成においては、「キャリア」という単語が社内でまったく聞かれないといったくらい会社任せの場合も多く、この点については、今後世の中が変化していった際に問題として浮かび上がってくることでしょう。

 

話しを戻すと、就活の際には人によって濃淡はあるものの、やりたい仕事をある程度決める人も多くいます。しかし、前述のしくみでは100%やりたい仕事に就けるわけではありません。おそらくみなさんが考えている以上にやりたい仕事に就けている人というのは少なく、かなりラッキーな存在だと思います。

 

それではやりたい仕事に就けなかった人はどうなってしまうのでしょう。転職をしようにもやりたい仕事の経験がありませんから、転職活動をしてもその職種では採用してもらえません。

そのような状況なのにもかかわらず、優秀なビジネスパーソンは、みなさん自分がたずさわっている仕事がやりたい仕事であったかのように、活き活きと働いている方ばかりにお会いするのです。それらの方々に、なぜいまの仕事に就いたのかをたずねると、たまたま配属されたから、とか最初はこの仕事がイヤでたまらなかった、などという人がほとんどです。

 

ではなぜ彼ら・彼女らはやりたい仕事に就かなかったにもかかわらず活躍しているのか。やりたい仕事とは「就く」のではなく、「する」ものなのです。縁あってたまたま出会った仕事に、真摯に一所懸命向き合っているうちに、その仕事の面白さや奥深さに気づき、やりたい仕事になっていくのです。

 

そのような人は、どんな仕事に就いてもやりたい仕事にしてしまうでしょう。なぜなら自分でその仕事に価値を見出し、意味のある行為にしていく能力を身につけているからなのです。

 

若手の方々とお話しさせていただく機会があると、よく「この仕事はやりたい仕事ではなかった」とか「いまの仕事は自分に向いていない」、「いま担当している仕事には意味がない」などと相談を受けることがあります。しかし話をよく聴いていくと、ほとんどの人が自分で担当している仕事に、意味や価値を見出せていないだけなのです。

 

どんなときでも自分の仕事を大切にし、一所懸命に向き合うことで、きっとやりたい仕事になっていくものです。仕事を変えたいという気持ちになったら、ぜひ自分でコントロールできる仕事への向き合い方をまず変えてみましょう。