人事制度見直し
起業当初から、困りごとの相談などをお手伝いしているクライアントから人事制度を導入したいとの相談をいただいた。
聴けば今後1.5倍程度に規模を拡大する予定だということで、その前に公平公正に人事管理ができる体制にしておきたい、ということであった。
人事制度はある程度の社員数を超えると、社長1人では見切れなくなるので、必要だと言われている。そんなことをお伝えしたところ、ぜひ手伝ってほしいとのことであった。
そこで詳しく現状をヒアリングさせていただいた。
職種別の等級基準書は作っていて、人材育成のロードマップとして、また評価にも活用していて、運用はうまくいっているそうである。
なので、格付け&昇格制度と報酬制度を作って等級基準書と紐づけて運用していく部分について、手伝うことになりそうである。
店主は新規案件の場合、最初のお打合せでしっかりと抜け漏れなく必要なことをお聴きするよう、ヒアリングシートを作ってそれに沿って会社の状況や困りごと、実現したいことなどをていねいに確認させていただいている。
クライアントさんに人事の専門性を持った担当者の方がいることは稀であり、多くの場合、世の中にあふれている情報から、イメージや耳障りの言いキャッチコピーによって、この仕組みを入れると課題が解決するのでは?と考えて、具体的な制度について導入したい、とお話しされる。
しかし多くの場合、困りごとや運用実態などの具体的な事実をうかがい、持ち帰って検討してみると、「真の課題」は別のところにあり、したがって有効な打ち手も違ったものになってくるケースが多い。
なのでヒアリングはファクトベースで先入観を入れず、しっかりとうかがうことにしている。制度はあくまでもツールであり、目的を達成するための手段にしか過ぎない。
さらに付け加えるならば、制度は導入してからがスタートである。当初抱いていた困りごとの解消に向けて、しっかりと制度を運用していき、目論見どおりに効果が出ないようであれば、PDCAを回しながらチューニングをしていくことが重要なのである。
ようするにキモは運用なのだ。ツールをフル活用し、ビジネスをうまくいかせることが人事制度の目的なのである。
いっしょにご相談させていただきながら作り上げた制度を、いかにご自分のものにして、想いや考え方を社員のみなさんが自分事としてとらえて使っていくことが成功へのポイントなのである。
ここのところ、人事制度のご相談が3件ほど立て続けに入ってきた。なんかのタイミングなのかもしれない。しっかりとこのような考え方をお伝えして、いいツールをご提供していきたい。