役職者人事制度
2002年に人事企画ブロックが発足して最初の仕事が、役職者の人事制度の改定でした。それまでの役職者の人事制度は、合併時に整合した組合員の延長線上にある制度で、3段階の資格等級ごとに本給を持ち、組合員当時からの号給をそのまま引きずって、全員が定期昇給をするものでした。
当然、組合員と同じように号給が積みあがって行きますから、昇格してからの年数が経っても次の等級に昇格しないパフォーマンスの上がらない年配の課長の方が、バリバリ働いて成果を出す昇格したての一つ上の若手役職者より基準内給料が多いという逆転現象がよく起きていました。
評価についても、目標と評価の関係性がイマイチはっきりせず、役職者に求められる能力要件などもはっきりしておらず、また実績の刈り取りや評価結果のフィードバックの方法もきちんと定められておらず、評価は一方的に本人の知らないところで評価され、結果についてもフィードバックがなされていませんでした。
2001年に初めて実施した従業員意識調査の結果をしっかりと分析し、そこから課題を抽出、整理して、会社として従業員にどのように働いてもらいたいかをしっかりと整理するところからスタートです。
人が生まれながらに持つ、成長したい、成長して身につけた能力を試し、発揮してみたい、発揮した結果をきちんと評価され、処遇という形で実感したい、その実感がさらなる成長意欲につながっていくというサイクルを「人事サイクル」と定義しました。
会社は人事サイクルがしっかり回っている状態が、自己実現している状態であり、それが一人ひとりが活き活きと輝き、能力が発揮できるとして、その状態を制度や運用で作り出していくことを目指すと整理しました。人事制度の改定は人事サイクルの適正化を目的に制度設計が進められることとなりました。
新しい制度の一番の目玉は、今まで等級間で逆転が起きていた基準内給料を等級ごとに重なりがないバンド設定にして、あわせてそのバンドの範囲内で評価によってアップダウンする仕組みにしたことです。
合併前の旧各社においては、さまざまな経緯や運用の積み重ねの結果、給料の金額と現実のアウトプットが比例していない役職者も散見されていました。そのような人々は、基本のバンドより高い金額ですので、暫定のバンドレンジを設定し、今後の評価結果次第では、どんどん給料が下がっていき、最終的には基本のバンド内に収まるような設計になっていました。
店主の役割としては、人事企画ブロックで作ってもらった制度に基づきしっかりと給料の置き換えをして、あわせて新しい資格制度や評価制度を運用していくことでした。それまでなんとなくもやっとしていた制度をしっかりとしたものに改定してもらったおかげで、運用もはっきりとしてかなり実務も進めやすくなりました。
2003年4月からの新しい制度への置き換えが、合併による制度整合後の新しい人事制度改定のスタートとなりました。
つづく…