4-7.コミュニケーション手段を上手に使い分ける
「コミュニケーション」という単語は、就職活動のころだけでなく入社後もとてもひんぱんに使われます。ところで「コミュニケーション」とはどのような意味でしょう。
広辞苑によると、「社会生活を営む人間の間で行う知覚・感情・思考の伝達。言語・記号その他視覚・聴覚に訴える各種のものを媒介とする」となっています。これではさすがに会社組織における意味としては少々学術的すぎますので、筆者は以下のように定義しています。
「コミュニケーションとは、相手に対して自分の意図を伝え、相手がそれを理解、納得し、相手がこちらの意図どおりの結果をもたらすこと」
よくコミュニケーションを取ったのか? といわれて、メールを入れておきました、などと答える人がいます。しかし結果は、こちらの意図したとおりになっていないということはよくあります。仕事でのコミュニケーションというのは、コミュニケーションをとった相手が期待どおりの結果をもたらしてくれて、はじめて成立するのではないでしょうか。
このように考えると、コミュニケーションをとる場合の手段についてももう少し考える必要が出てくると思います。現代のビジネスではコミュニケーションをとる際に通常使われる手段として、対面して話す、ビデオ会議で話す、電話で話す、チャットで会話する、電子メールで文書をやり取りする、文書をFAXする、文書を郵送するなどの手段が考えられます。
これら手段を使う際にはぜひ、「相手に対して自分の意思が伝わり、理解、納得して、意図どおりの結果をもたらしてくれる」という目的を達成するためにはどれが最適か、という観点で考えて選択してほしい、ということです。
これら手段の選択というのは、相手の立場や性格、好みなども大いに関係しますし、伝える意図の内容やもたらしてほしい結果にもよると思います。得意先の部長に対し、上司と同じように突然電話をかけても同じ結果が得られるとは思えませんし、他部署の同期にこそっとお願いごとをするのに、固い文書では逆効果です。これらコミュニケーション手段を上手に使い分け、結果をもたらせてもらえるころには、みなさんも中堅社員の仲間入りです。